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弁護士一年目です。ついたての陰から近況をつづります。

民事系第1問

1 設問1

1 Bは、5631項・5621項に基づき代金減額を主張すると考えられる。

(1) 契約①では、乙が特に優れた防音性能を備えた物件であることが合意の内容とされた。ところが、乙は同防音性能を備えていなかった。よって、「引き渡された目的物が」「品質」「に関して契約の内容に適合しない」に当たる。

Bは、Aに対し、工事をAが手配することを選択肢として示して催告した。しかし、Aからの応答はなく、相当の期間内に履行の追完がない。

よって、Bは、上記主張をし得る。

(2) Aと近隣住民との間でもトラブルがあったことからすると、乙は、契約①締結時点で、同防音性能を備えていなかったといえる。そうすると、同防音性能を備えていないという事由は、Cが対抗要件を具備した令和2年7月30日時点で生じていたので、「事由」(468条1項)に当たる。よって、上記主張が認められる。

2 Bは、542条2項2号に基づき契約①の一部解除を主張すると考えられる。

(1) 上述のように、Bからの催告に対しAは応答をしていない。かかるAの不誠実な対応は、信義則上、履行拒絶意思を明確に表示したものと同視できる。よって、同号に当たる。

(2) 同号の事由は、契約①に基因する事由として、「事由」(468条1項)に当たる。よって、上記主張が認められる。

第2 設問2

1 (1)について

(1) a部分について

甲は分割されて袋地になった。よって、Bは、公道に至るため通行権を有する(213条2項)。

(2) c部分について

ア 同項の趣旨は、公道に出る手段を確保する点にある。そして、公道は、車両で通行する用にも供せられる。そうすると、車両で通行するのに必要な範囲で同項の通行権が認められる。

イ a部分の道幅は車両の通行には十分ではなかった。そうすると、車両で通行するにはc部分まで必要である。よって、c部分についても同項の通行権が認められる。

2 (2)について

(1) Bについて

地役権設定契約は、物権法に定められていない事項を定めることができない。280条は、地役権の内容として地代支払いを規定していない。そうすると、地代支払いは契約②の内容とならない。解除の趣旨は、契約の拘束力から債権者を解放する点にある。地代支払いが契約②の内容となっていない以上、その不払いから債権者を解放するという趣旨は妥当しない。よって、Dは契約②を解除できない。

(2) Dについて

地役権設定契約の内容は、契約自由の原則(521条2項)より、当事者が自由に定め得る。契約②では地代支払いが合意されており、契約②の内容となる。地代不払いがある以上、債権者を解放するという解除の趣旨が妥当する。よって、Dは契約②を解除できる。

(3) 私見

契約自由の原則より、Dの立場が妥当である。よって、Dは契約②を解除できる。

第3 設問3

1 Fは、Eの代理人として契約③を締結している。しかし、FEに無断で行為している。よって、契約③の効果は、無権代理としてEに帰属しないのが原則である(113条1項)。したがって、契約③に基づくBGに対する所有権移転登記手続請求は認められないのが原則である。

2(1) 761条は、日常家事に必要な範囲で夫婦に代理権を認める。もっとも、この代理権を基本代理権として110条を適用すると夫婦別産制(762条)を害する。そこで、当該夫婦の日常家事の範囲に含まれると相手方が信じるにつき相当な理由がある場合に、110条の趣旨を類推して、表見代理が成立する。

(2) Bは、夫が入院加療中であるから妻が取引をするのが通常のことと考えている。しかし、契約③はEに不利益な内容であるから、BEに確認すべきである。ところが、BEに確認していない。よって、表見代理は成立せず、上記原則どおりとなる。

(1548字)

※8月26日追記

設問2(2)は、問題文を読み間違えています。問題文では契約②によって「Dが」債務を負っているかどうかを問うていますが、「Bが」債務を負っているかどうかを問うていると読んでしまいました。

 

民事系第2問

1 設問1

Bは、株式発行無効の訴え(82813号)を提起して、後述するような主張をすることが考えられる。

1(1) 甲社は取締役会設置会社である。よって、株主総会の招集通知に会議の目的事項を記載しなければならない(299条4項、2項2号、298条1項2号)。

(2) 本件招集通知には、定款変更の件及び新株式発行の件という会議の目的事項が記載されていない。よって、本件決議1及び本件決議2に、招集手続の法令違反という取消事由(831条1項1号)がある。

2(1) 甲社は非公開会社である。そして、本件優先株式の評価額は1株当たり4万円であるから、1株当たりの払込金額2万円は、「特に有利な金額」(199条3項)に当たる。同項が、当該払込金額で募集をすることを必要とする理由を説明することを要求する趣旨は、既存株主に、持株比率低下という不利益を受けることを納得してもらう点にある。そうすると、上記説明は真実でなければならない。

(2) Cは、Bに対し、2万円という1株当たりの払込金額は中立的な専門機関が合理的な方法によって算定した評価額に相当する額である旨説明した。同説明は虚偽である。よって、本件決議2の決議方法に法令違反という取消事由(831条1項1号)がある。

3(1) 82813号は、無効事由を明示していないが、法的安定を図る同号の趣旨より、重大な法令定款違反に限るべきである。

(2) 非公開会社においては、株式発行に株主総会の特別決議を要する(309条2項5号、199条2項)。その趣旨は、既存株主の持株比率維持の利益を尊重する点にある。そうすると、本件決議1及び本件決議2に取消事由があることは、既存株主の意思に基づかずに持株比率維持の利益が奪われる点で、重大な法令違反に当たる。よって、上記訴えの無効事由が認められる。

第2 設問2

1 (1)について

本件優先株式は、上述のように、評価額が1株当たり4万円であるのに、1株当たり2万円の払込金額で発行された。そうすると、2株につき1株の割合で本件株式併合がされても、もともとの価値に戻るだけであり、Pに不利益はないとも思える。しかし、本件株式発行が適法に行われたことを前提とすると、本件優先株式の内容につきPに既得権が生じている。本件株式併合は、Pの既得権を奪う点で、Pに不利益が生じる。

2 (2)について

ABは、本件決議3によって、本件優先株式数が減少する結果、配当金が増えるという利益を受ける。よって、ABは特別利害関係人に当たる。ABが賛成したため、本件決議3が可決された。よって、ABの議決権行使と同可決との間に因果関係がある。本件決議3は、Pの既得権を奪う点で著しく不当な決議である。よって、本件決議3に取消事由(831条1項3号)がある。決議取消しにより、本件株式併合は、180条2項に違反する。上述のように、Pは既得権侵害の不利益を受ける。よって、Pは、本件株式併合の差止請求(182条の3)ができる。

(1229字)

※設問2(2)の後半は、文字が乱雑なため、読んでもらえない可能性が残る。

 

民事系第3問

第1 設問1

1 課題1

(1) 将来給付の訴えは、あらかじめその請求をする必要がある場合に限り、提起することができる(135条)。その判断に際しては、請求権の特質や当事者の衡平を考慮すべきである。

(2) 敷金返還請求権は、賃借人の賃貸人に対する債務を担保するという特質を有する(民法622条の2第1項)。同請求権について将来給付判決をすると、賃貸人は無担保の債権者となり、賃貸人に不利益であるとも思える。しかし、同請求権は、賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたときに生じる(同項1号)。そうすると、返還時以降は債権が生じないから、将来給付判決をしても賃貸人に不利益はない。

Xは、Aから本件契約締結時に受け取ったのは礼金であって、敷金ではないと述べている。そうすると、将来においても敷金であることを争うと考えられる。

よって、上記場合に当たり、将来給付の訴えの適法性が認められる。

2 課題2

(1) 確認の利益は、原告の法的地位に危険不安が現存し、その危険不安を除去するために、当事者間で確認判決をすることが有効適切である場合に認められる。

(2) 上述のように、Xは、本件契約締結時に120万円を受け取ったことは認めているが、それが礼金であり、敷金ではないと争っている。当事者間で、Xが受領した金銭が敷金である旨を確認する判決をすれば、それが礼金であるとXが主張することは既判力により遮断される。これにより、Y2の不安な地位を除去でき、有効適切である。よって、Xが受領した金銭が敷金である旨を確認することを求める訴えであれば、確認の利益が認められる。

2 設問2

1 民事訴訟法においては、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果を心証形成の資料とすることができる(247条、自由心証主義)。

Y2の発言は、口頭弁論期日における発言ではないので、口頭弁論の全趣旨に当たらない。また、Y2の発言は、証拠調べの結果裁判官が感得した内容ではないので、証拠調べの結果にも当たらない。

2 和解手続は、互いに互譲をすることにより、じゅう軟な解決ができる。ところが、和解手続における当事者の発言を心証形成の資料とすることができるとすると、当事者は、不利益を受けることを恐れて大胆な互譲を控えてしまう。よって、和解手続によるじゅう軟な解決が困難になるという問題が生ずる。

3 設問3

1 課題1

(1)ア 通常共同訴訟と固有必要的共同訴訟との区別は、訴訟物に関する管理処分権が実体法上共同的に帰属する場合が固有必要的共同訴訟であり、それ以外の場合が通常共同訴訟であるという基準による。なぜなら、訴訟で敗訴すると、実体法上権利を有していても既判力により権利主張が遮断される。そうすると、訴え提起は処分行為といえる。そこで、管理処分権を基準とすることが妥当であるからである。

イ 本件建物の明渡債務は、性質上不可分債務である。よって、各債務者は単独で履行することができる(民法430条、436条)。そうすると、訴訟物に関する管理処分権が実体法上共同的に帰属する場合以外の場合に当たる。よって、本件訴訟は通常共同訴訟に当たる。

(2) XY2に対する訴えのみを取り下げることができる(39条)。

2 課題2

自由心証主義を害さないようにするため、共同訴訟人間の証拠共通の原則が認められる。そうすると、Y2が提出した本件日記の取調べの結果を事実認定に用いてよいはずである。

しかし、XY2に対する訴えのみを取り下げたことにより、Y2に対する訴えの訴訟係属が遡及的に消滅する(2621項)。そうすると、本件日記の取調べも遡及的になかったことになる。よって、本件日記の取調べの結果を事実認定に用いることはできない、

1522字)