ついたてのブログ

司法試験受験生です。平成30年度の受験に向け、ついたての陰から近況をつづります。


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5振失権者の予備論文再現答案です。

諸賢にお見せするレベルではないかも知れませんが、

せっかくなので公開することにしました。

 

憲法

第1 甲の主張

1 財産権について

(1)   憲法上の権利の制約

本件命令により、甲が生産したXの3分の1の処分権が制約された。

29条1項は、既得財産権を保障する。甲が生産したXは、甲の既得財産権である。よって、同処分権は同項により保障される。

(2)   判断枠組み

本件命令により廃棄されたのは、甲が生産したXのうちの3分の1にとどまる。また、本件命令の目的は、Xのブランド価値を維持し、A県全体の農業振興を図るという積極目的である。同目的の当否については、A県議会で審議されており、政治部門の判断を尊重すべきである。そこで、本件命令は、規制目的が正当であり、手段が合理的関連性があれば合憲である。

(3) 本件命令の規制目的は、上述のように、Xのブランド価値を維持し、A県全体の農業振興を図る点にあり、正当である。

しかし、甲は、独自の顧客を持っていたことから、自らは例年同様の価格で販売できる。そうすると、Xが生産したXを全て販売したとしても、Xの価格が下落することはない。よって、手段が目的と合理的関連性を有しない。したがって、本件命令は29条1項に反する。

2 補償について

財産権の本質を侵害する程度の規制をする場合には、29条3項に基づき、補償を要する。

本件では、甲は、特別の栽培法を開発し、天候に左右されない高品質のXを生産している。本件命令は、かかる甲の努力を無にするものであり、上記程度の規制に当たり、補償を要する。

第2 反論

1 甲がXを販売した分だけ、他の農家が生産したXが売れなくなる。よって、手段が目的と合理的関連性を有する。

2 本件命令により、Xのブランド価値が維持されることは、生産者の利益となる。よって、本件命令は、財産権の本質を侵害する程度の規制に当たらず、補償は不要である。

第3 私見

1 財産権について

(1) 本件命令は、甲が生産したXの3分の1の処分権(29条1項)を制約する。

(2) 本件命令は、規制目的が正当であり、手段が合理的関連性があれば合憲である。

(3) 本件命令の規制目的は、甲が主張するように、正当である。

(4) 手段の合理的関連性について

甲は、独自の顧客を持っていたことから、甲は例年同様の価格で販売できる。また、20XX年も生産量は平年並みであった。そうすると、Xが生産したXを全て販売したとしても、Xの価格が下落することはない。よって、手段が目的と合理的関連性を有しない。したがって、本件命令は29条1項に反する。

2 補償について

財産権の本質を侵害する程度の規制をする場合には、29条3項に基づき、補償を要する。

甲が主張するように、本件命令は、甲の努力を無にするものであり、上記程度の規制に当たり、補償を要する。

(1108字)

 

行政法

第1 設問1

「違法」(国賠法1条1項)とは、職務上尽くすべき注意義務に違反することをいう。そして、処分の留保が違法となるのは、相手方が行政指導に従わない意思を真摯かつ明確に表明した時点以降である。もっとも、同表明が正義の観念に反する特段の事情がある場合は、同留保は適法である。

本件では、住民が反対運動を起こしたことに応じて許可を一旦留保した時点では、Aは、説明会を開催し、本件提案をして、行政指導に従っており、同留保は適法である。その後、Aは、本件提案を撤回し、説明会の継続を断念することとし、Bに対し、行政指導にはこれ以上応じられないので直ちに本件申請に対して許可をするように求める旨の内容証明郵便を送付したことにより、上記表明をしたといえる。よって、Aは、同留保が、同送付の時点から違法になると主張すべきである。

これに対し、甲県は、反対派住民が態度を硬化させたのは、(ア)(イ)という、Aの工作が判明したからであり、Aに帰責性があり、Aが行政指導に従わないのは正義の観念に反すると反論することが想定される。

そこで、同反論の当否について検討する。Aは上記工作を行っており、Aに帰責性がある。再度Aに説明会を開催させて、反対派住民の意思を反映させる必要がある。よって、甲県側が行政指導を継続したのは正当であり、Aの同表明は正義の観念に反する。したがって、許可の留保は適法である。

第2 設問2

「法律上の利益を有する者」(行訴法9条1項)とは、当該処分を定める行政法規が個々人の個別的利益として保護する利益を、当該処分により侵害され、又は必然的に侵害されるおそれがある者をいう。C1C2は処分の相手方以外の者であるから、同条2項の事情を考慮して判断する。

本件許可の根拠法規は、法15条の2第1項である。同項は、「生活環境の保全」(同項第2号)と規定する。また、法15条3項・規則11条の2第1号は、「大気質」「地下水」と規定する。そこで、法15条の2第1項は、地下水の汚染や有害物質の飛散による、生活環境に係る著しい被害を直接的に被るおそれがある者に対し、そのような被害を受けない利益を個々人の個別的利益として保護する趣旨を含む。

前提②より、有害物質の飛散による、生活環境に係る著しい被害を直接的に被るおそれは、C1C2に認められない。また、前提①より、地下水の汚染による、生活環境に係る著しい被害を直接的に被るおそれは、C2に認められない。よって、C2に原告適格は認められない。他方、C1は、地下水は飲用していないが、居住地内の果樹園で地下水を利用して高級ぶどうを栽培している。前提①より、汚染した地下水がC1の居住地に到達すると、C1の生計の基礎である同栽培が行えなくなる。よって、地下水の汚染による、生活環境に係る著しい被害を直接的に被るおそれが、C1に認められる。したがって、C1に原告適格が認められる。

(1202字)
 

刑法

第1 甲の罪責

1 Vが飲みたがっていた高級ワインにXを注入し、V宅宛てに宅配便で送った行為に、以下に述べるように、①Vに対する殺人未遂罪(203条、199条)が成立する。

(1) 「実行に着手」(43条本文)とは、結果発生の現実的危険性が認められることをいう。そして、同危険性は、行為時に一般人が認識し得た事情及び行為者が特に認識していた事情を基礎として、一般人の見地から判断する。

本件では、同ワインに注入した8ミリリットルのXは、致死量に達していなかったが、心臓に特異な疾患があるVが、その全量を数時間以内で摂取した場合、死亡する危険があった。行為時に、甲は、Vの同疾患を知っており、Vが気に入ったワインであれば2時間から3時間で飲み切ることを知っていた。よって、同疾患があるVが、同ワインを数時間以内で摂取することが基礎事情となる。そして、一般人は、同疾患があるVが、同ワインを数時間以内で摂取すれば、Vが死亡する現実的危険性があると判断する。よって、同行為に殺人罪の実行行為性が認められる。

(2) 同行為があれば通常Vの死亡結果が生じる。よって、同行為時に実行の着手が認められる。

(3) Vは同ワインを受け取らなかった。よって、①の罪が成立する。

2 Yを入れた容器を乙に渡してVに注射するように指示した行為に、②Vに対する殺人罪が成立しないか。

(1) 他人を利用する行為であっても、(ⅰ)利用者に正犯意思があり、(ⅱ)被利用者を一方的に支配利用する場合には、利用行為に結果発生の現実的危険性が認められ、実行行為性が認められる。

本件では、Vを殺害することにより、甲はVと別れることができる。よって、甲に動機があり、正犯意思がある(ⅰ)。

乙は、甲から渡された容器に薬剤名の記載がないことに気付いたにもかかわらず、その中身を確認しないままVにYを注射した点に過失がある。よって、乙に規範的障害がある。しかし、過失は無意識的行為であるから、規範的障害の程度は低い。また、乙は甲の指示に忠実に従う立場にある。よって、甲は乙を一方的に支配利用するといえる(ⅱ)。したがって、同行為に殺人罪の実行行為性が認められる。

(2) 同行為があれば通常Vの死亡結果が生じる。よって、同行為時に実行の着手が認められる。

(3)   Vは、急性心不全により死亡した。

(4) 同行為に従って、乙がVに注射し、同疾患のあるVは急性心不全により死亡した。よって、同行為の危険性が現実化したといえ、因果関係が認められる。したがって、②の罪が成立する。

3 以上より、①②の罪が成立し、Vの死に向けられた一連の行為であるから、包括一罪となる。

第2 乙の罪責

1 Vに注射した行為に、③Vに対する業務上過失致死罪(211条前段)が成立しないか。

(1) 乙は医師であり、注射する行為は「業務」に当たる。

(2) 上述のように、乙は「必要な注意を怠り」に当たる。

(3)   上述のように、Vの死亡結果と因果関係がある。

(4)   よって、③の罪が成立する。

2 Vの死亡診断書を作成した行為に、④虚偽診断書作成罪(160条)が成立しないか。

(1)  乙は公務員でない医師であり、「医師」に当たる。

(2) 同診断書はCに提出する必要があるので、「公務所に提出すべき診断書」に当たる。

(3) 乙は、権限を濫用して虚偽の死因を記載しており、「虚偽の記載をしたとき」に当たる。

(4) よって、④の罪が成立する。

3 同診断書をDに渡した行為は、虚偽文書を内容真実の文書として使用したといえ、「行使」に当たり、⑤同行使罪(161条1項)が成立する。

4 同診断書を作成してDに渡した行為に、⑥証拠偽造罪(104条)が成立しないか。

(1) 「他人の」とは、専ら他人のためにすることをいう。

乙は、甲に刑事責任が及ばないようにしたいと思い、専ら甲のために同行為をしており、「他人の」に当たる。

(2) 同行為は、甲の犯行を隠ぺいするものであり、「証拠」の「偽造」に当たる。

(3) よって、⑥の罪が成立する。

5 以上より、③④⑤⑥の罪が成立する。そして、④と⑤は牽連犯(54条1項後段)となる(⑦)。また、⑥と⑦は観念的競合(同項前段)となる(⑧)。そして、③と⑧は併合罪(45条前段)となる。

(1725字)

 

刑訴

第1 設問1

誤認逮捕のおそれがないという現行犯逮捕(213条、212条1項)の趣旨より、(ⅰ)時間的場所的接着性(ⅱ)犯罪と犯人の明白性が現行犯逮捕の要件となる。

本件では、犯行から約30分後、犯行現場から約2キロメートル離れた路上で①の逮捕がされており、時間的場所的接着性が認められる(ⅰ)。また、Vの殺害に使用されたサバイバルナイフが、Vの胸部に刺さった状態で発見されており、犯罪の明白性が認められる。そして、甲は、Wから聴取していた犯人の特徴と合致し、甲は犯行を認めており、犯人の明白性も認められるとも思える。しかし、現行犯逮捕が無令状で認められる趣旨は、逮捕現場の状況から、誤認逮捕のおそれがないと判断できる点にある。そうすると、目撃者の供述や犯人の自供のみから判断することはできず、逮捕現場の状況から客観的に判断しなければならない。甲は、逮捕された路上の客観的状況から判断すると、犯人であることが明白とはいえない。よって、(ⅱ)を充たさず、①の現行犯逮捕は違法である。

第2 設問2

1 1について

訴因は審判対象識別機能、防御権告知機能を有する。そこで、訴因の特定(256条3項)が認められるためには、(ⅰ)被告人の行為が特定の犯罪構成要件に該当することを認識することができ、(ⅱ)他の犯罪事実と識別できることが必要である。

本件では、②の記載により、殺人の共謀及び共謀に基づく実行行為を認識でき、乙の行為が殺人罪の共同正犯(刑法60条、199条)に該当することを認識することができる(ⅰ)。また、Vの死亡は1回だけだから、②の記載により、他の犯罪事実と識別できる(ⅱ)。よって、②の記載は、訴因の特定が認められ、訴因の記載として罪となるべき事実を特定したものといえる。

2 2について

検察官が釈明した事項が、審判対象画定に必要であれば、訴因の内容になる。

本件では、③は、共謀の具体的態様を釈明したものである。上述のように、②の「甲と共謀の上」という記載で訴因の特定の要請を充たすので、③の共謀の具体的態様は、審判対象画定に必要といえない。よって、③の事項は、訴因の内容とならない。

3 3について

「被告事件」(333条1項)とは、審判対象画定に必要な事実をいう。上述したように、共謀の具体的態様は審判対象画定に必要な事実ではない。よって、③において釈明された平成29年5月18日の共謀の事実と異なる同月11日の共謀の事実を認定しても、犯罪の証明は認められる。

また、審判対象画定に必要な事実が変動した場合に当たらず、訴因変更(312条1項)は不要である。

もっとも、甲乙間で、平成29年5月18日に共謀があったか否かが本件の争点とされ、乙の公判における検察官及び弁護人の主張・立証も同日の共謀の存否について行われた。それにもかかわらず、同月11日の共謀の事実を認定することは、同日の共謀の事実が存在しないことについての被告人の防御の機会を失わせるものであり、被告人に不意打ちとなり、許されない。

(1240字)

 

一般教養

第1 設問1

弁証術は、遠くから多くの議論を重ねて結論を導き、議論の段階をすべて押さえながら導く。しかし、遠くから多くの議論を重ねて結論を導くことは、議論が長すぎて、聴衆にははっきりしなくなる。また、議論の段階をすべて押さえることは、判りきったことまで述べることになる。弁論術は、自分が経験的に知っていることに基づいて、聞き手に卑近なことを語る。弁論術は、聴き手が、「あの人なら」と認めている人々の見解に基づく。弁論術は、必然的な前提だけでなく、概ね真とされている前提をももとにして結論を導く。弁証術は、必然的な前提だけをもとにして結論を導くから、結論の正当性が担保されている。弁論術は、概ね真とされている前提をももとにして結論を導くので、結論の正当性が担保されていない。

第2 設問2

弁論術は、聴き手が理解できる前提から結論を導くので、大衆に受け入れられ易い。よって、大衆に政治課題を理解させる際に有用である。しかし、弁論術は、必ずしも真とは限らない前提から結論を導くので、誤った見解を大衆に教え込むおそれがある。

例えば、ヒットラーは、ドイツ民族の優越性という、当時のドイツ国民に受け入れられ易かった前提から、ユダヤ人排斥という結論を導いた。ドイツ民族の優越性という前提は、誤った前提であるので、ユダヤ人排斥という結論の正当性も認められない。しかし、当時のドイツ国民は、国内の状況から、ドイツ民族の優越性という前提を受け入れた。そして、同前提から導かれる、ユダヤ人排斥という結論も受け入れ、ヒットラーを支持した。このように、弁論術は、大衆に政治課題を理解させる際に有用であるが、弁論術は、必ずしも真とは限らない前提から結論を導くので、誤った見解を大衆に教え込むおそれがある。

(734字)

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