(続)過去問ひとり答練 ~旧司H21民訴第2問 | ついたてのブログ

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第1 1について

1 「法律上併存し得ない関係」(41条1項)とは、一方の訴訟における請求原因事実の一部が他方の訴訟における抗弁事実の一部となる場合をいう。

本件では、Yに対する訴訟における請求原因事実である、本件売買契約当時のZの代理権の存在は、Zに対する訴訟において抗弁事実となる(民法117条1項)。よって、「法律上併存し得ない関係」に当たる。

2 Xは同時審判の「申出」(41条1項)をしている。

3 よって、裁判所はZについて弁論を分離してX勝訴の判決をすることはできない(同項)。

第2 2について

1 裁判所は、本件売買契約当時、Zが代理権を有していたとの心証を得ている。よって、裁判所は、XのYに対する請求を認容する判決をすべきである。

2 XのZに対する請求について

(1) Zはすべての期日に欠席している。よって、擬制自白が成立する(159条3項本文、1項本文)。そして、自白とは、期日での相手方の主張と一致する自己に不利益な事実の陳述をいう。同不利益な事実とは、基準の明確性より、相手方が証明責任を負う事実をいう。

本件では、Xが証明責任を負う、①XZ間の売買契約の締結②Zの顕名の各事実につき擬制自白が成立する。

(2) そして、③本件売買契約当時のZの代理権の存在は、上述のように、抗弁事実であり、主要事実である。裁判所は、当事者が主張しない主要事実を裁判の基礎とすることはできない(弁論主義第1テーゼ)。

本件では、③の事実を当事者は主張していない。よって、裁判所は、③の事実を判決の基礎とすることはできない。(3) したがって、裁判所は、XのZに対する請求を認容する判決をすべきである。

第3 3について

同時審判の申出がある共同訴訟は通常共同訴訟であり、共同訴訟人の一人の訴訟行為は他の共同訴訟人に影響を及ぼさない(39条)。よって、第1進判決に対してXがYを被控訴人としてした控訴により、XのYに対する訴訟のみ確定遮断及び移審の効果が生じる。したがって、控訴裁判所は、YとZとを共同被控訴人として判決をすることはできない。

(854字)

 

※第2.2(2):仮に、YがXY間の訴訟において③の事実を主張していた場合には、同時審判が通常共同訴訟であり、共同訴訟人独立原則の適用があることを書いたうえで、共同訴訟人間の主張共通の原則の論点を論じる実益がある。しかし、本件では、YはXY間の訴訟において③の事実を主張していないので、同論点を論じる実益がない(私見)。