全体の20%に相当する重要部分をこなせば、全体の80%をつぶしたのと同じ効果がある、とよくいわれます。
過去問10年分やれば、この20%の重要部分をやったことになるのかなあ。
第1 設問1
1 Dは、地方自治法242条の2第1項第4号により、B村村長を被告として、助成金7500万円についてB村村長に対して損害賠償を請求することを求める訴訟を提起する。
2 A寺への助成は、以下に述べるように、89条前段に違反する。
(1)A寺は、C宗の末寺として、礼拝供養という宗教的行為を行うことを主たる目的とする団体であり、「宗教上の・・・団体」に当たる。
(2)ア 89条前段は、信教の自由(20条1項前段)の保障を確実にする趣旨で、公金支出を伴う、宗教との不相当なかかわり合いを禁止する。かかる不相当なかかわり合いとは、行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助または圧迫になることをいう。
イ 本件では、第1に、A寺は、墓地への埋葬にC宗の典礼方式で埋葬を行うことへの同意を要求している。そうすると、A寺の墓地は、C宗の信徒のためのものといえる。そして、B村には小さな墓地を持つ集落もあり、A寺の墓地だけがB村内の墓地であるわけではない。そうすると、墓地への助成の目的はC宗信徒の援助であるといえ、宗教的意義をもち、その効果も、C宗信徒だけが助成を受けて墓地を維持できることになるから宗教に対する援助になる。
第2に、本堂は、江戸時代の一般的な寺院の建築様式で建てられており、信仰の対象である観音菩薩像が祀られている。そうすると、本堂は宗教的な行事を行うことを主たる用途としているといえる。よって、本堂への助成の目的は宗教的行事を援助することであるといえ、宗教的意義をもち、その効果も、宗教的行事を行うことを容易にするので宗教に対する援助になる。
第3に、庫裏は、住職という、宗教的行事を行う者の住居である。よって、庫裏への助成の目的は宗教的行事を援助することであるといえ、宗教的意義をもち、その効果も、宗教的行事を行うことを容易にするので宗教に対する援助になる。
(3)よって、A寺への助成は、89条前段に違反する。
第2 設問2
1 被告は、墓地、埋葬等に関する法律1条は墓地を公衆衛生の見地から必要な場所と位置付けており、墓地への助成の目的は公衆衛生の見地から必要な埋葬場所を確保する点にあり、世俗的であると反論する。
しかし、火事で亡くなった人は一人もいなかったのだから、公衆衛生の見地から埋葬場所を確保する緊急の必要はない。よって、公衆衛生維持という目的は、墓地への助成の従たる目的に過ぎない。また、公共性と宗教性とは次元を異にするから、行為に公共性があることが行為の宗教性を弱めることにはならない。よって、被告の反論は妥当ではない。
2 被告は、本堂では、檀家でない村民も含めて村民の相談が行われており、村民の交流の場でもあるから、本堂への助成の目的は村民の交流の場・相談の場を維持するという世俗的なものであると反論する。
しかし、公民館等の交流の場・相談の場を建てるという、より世俗的な選択がある。人口1000人のB村にとっては小規模な公民館で足りるから、本堂への助成金4000万円で建築費を賄える。そうであるにもかかわらず、あえて本堂再建の助成という、宗教とのかかわり合いの強い方法を選んでいる。よって、本堂への助成の主たる目的は宗教的行事を援助することにあり、宗教的意義が認められ、被告の反論は妥当でない。
3 被告は、庫裏は住職が日常生活を営む場であるから、他の村民の住居と同じ性格のものであり、庫裏への助成の目的は住職の生活再建を図るという世俗的なものであると反論する。
しかし、火災により、庫裏だけでなく村民の家屋も広い範囲にわたって延焼しており、家屋再建のために助成を要する程度は変わらないにもかかわらず、庫裏だけに助成がなされている。これは、住職がA寺の宗教的行事を行う者だという点に着目したからであるといえる。よって、庫裏への助成の目的は宗教的行事を援助することであり、宗教的意義をもつ。したがって、被告の反論は妥当でない。
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