敗因分析 平成24年民事系第2問〈120点代後半〉 | ついたてのブログ

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続いて去年の商法です。

設問1

「取れない」問題。
①取締役選任の「当否」(設問文):
法令違反がないかという観点に加えて(素人的見地から)妥当でないなという観点も加えて「何が問題となるかを見抜」(出題趣旨)く。
②甲社の会社提案及び乙社の株主提案はいずれも適法(設問文の前提ア)
→本件の取締役選任に関する議「案」は問題文に記載されている。が、「取締役何名選任の件」が議「題」であるのかが問題文上明らかでなく、解釈により議題を確定する必要がある(別冊法学セミナー解説)。
→ex.甲社の定款上取締役の員数は6名以内とすることとされているので、Hを除いて「取締役5名選任の件」が議題であると解する(私見)。
←気付かなかった。議題と議案との区別を意識すること。
③選任されうる取締役の数を超えて341条の決議要件を満たす候補者がいる場合の決定方法が問題となることを指摘し、自らの考え方を述べた上、当てはめをすることが求められる(出題趣旨)。三段論法を守る。
←ここはある程度書けた。

設問2(1)

①「A及びF」(設問文)について聞かれている。→各別に検討する。
②Aについて
ア 条文選択:360条1項3項
イ 要件検討
・「法令に違反する行為」:
違反する法令の候補として、a.120条1項 b.362条4項1号、c.365条1項・356条1項、d.330条・民644条が挙げられる。
a.120条1項について
乙社の株主としての権利行使のために本件貸付けをしたことをうかがわせる事情がないのでcut(私見)。
b.362条4項1号について
単なる多額の貸付けではなく、利益相反関係にある者への貸付けであることが問題なのでcut(私見)。
c.365条1項・356条1項について
「説明が不十分である」(事実6)というのはFの「意見」であり「事実」ではない。よって、「重要な事実を開示」(356条1項柱書)していないとは評価できない(私見)。また、「承認された」(事実6)のであるから365条1項・356条1項との関係では適法である。よってcut。
d.330条・民644条について
365条1項・356条1項の承認があっても別途330条・民644条違反は問題となる。甲社の経営状況(事実3)等の問題文の事実を使える。よってd.330条・民644条を選択する。
以上のような検討の過程をそのまま答案に書く(エスケイさんブログ)。
←b.とc.のみ検討して取締役会の承認ありとしつつ、設問1の検討の結果取締役でないBが決議に加わっており一般原則により取締役会の承認は無効であり、法令違反行為ありと書いてしまった。831条の出訴期間経過(設問1イ)という前提(=取消事由存在の瑕疵は後の設問に影響しない)に気付けなかった。
・損害要件の検討はある程度書けた。
③Fについて
ア 条文選択:385条1項
イ 要件検討:Aの場合と同様。
 
設問2(2)

①「A及びF」(設問文)について聞かれている。→各別に検討する。
②Aについて
ア 条文選択:847条1項3項・423条1項。間接損害事例であるから429条はcutする旨短く書く。
イ 423条1項の要件検討
・任務懈怠
HDPにつきそれぞれ423条3項各号により任務懈怠が推定されること「を踏まえ、当てはめをすることが求められる」(出題趣旨):
任務懈怠が推定されるものの、それぞれの取締役のどの点に任務懈怠を求められるのかを記述する必要がある(別冊法学セミナー解説)。HDPについて各別に検討する。
←HDについて423条3項の推定規定を指摘できなかった。
・損害の発生及び因果関係
③Fについて
ア 条文選択:386条1項
←386条1項を指摘できなかった。
イ 要件検討
 
設問3

「取れない」問題
①決議は議案ごとに存在するので議案①と議案②とを分けて各別に検討する(伊藤塾岡崎講師)。
←議案ごとに各別に項目立てをしなかった。
②議案①について
「否決の決議がそもそも決議取消の訴えの対象となるかが問題となることを指摘し、これを検討することが求められる」(出題趣旨)。
←問題となることは指摘できた。が、理由を書かずに否定してしまった。「決議取消の訴えの制度趣旨に立ち返った上で」(出題趣旨)三段論法で書くべきだった。
③議案②について
ア Fの主張について
345条4項1項違反
←345条4項は指摘できた。が、1項を指摘できなかった。条文引用は正確に。
イ Aの主張について
「Fに関する手続上の瑕疵をAが主張することができるか」(出題趣旨)
←書けなかった。

敗因:設問2(1)-②-イ、設問2(2)-②-イ
←これらは「会社法の基本的な規律」(採点実感)についての問い。