読書感想:「ロシア敗れたり」(鈴木莊一著、毎日ワンズ)ー新書版ー | 雑文・ザンスのブログ

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・伊勢丹地下の「カレーフェス2025」を見に行った。高価な「ビリヤニ」を購入する人の列が延々と伸びているのに、恐れ入った。明日(8/26)が最終日。

 

・テキトーに大阪のカツカレーを食べて用事は済んでしまったので、久しぶりに紀伊国屋書店に行ってみた。沢山の本が並んでいる。

 

・歴史のコーナーに行ったら、上記の本を見つけた。単行本で出たものを新書で再度、昨年9月に出版したもの。興銀のOBが定年後に書いている?色々調べて、裏もとっている。司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」の記述内容に反論している箇所が数か所ある。「国民的作家」であろうとも、間違いや思い込みはあるわけで、「なるほど、そうかも・・」と思った。(サラリーマンだった人が歴史家、評論家に転じることは、明治維新以後についてなら可能かもしれない。その前の時代では、「古文書」が読めないと、まずいのでは?)

 

・坂本龍馬についてもその「仕事」の中身については、昨今、歴史学会から再評価がなされて、かならずしも「司馬史観」は正しくはないようだが・・。まあ、小説と割り切れば、良くできた小説なのだが。

 

・中で、興味をひいた指摘は;

①黄海海戦で、総勢20隻(戦艦6,巡洋艦5など)が乃木軍の旅順港への無差別砲撃(無照準砲撃)を避けウラジオストックへの遁走を図った。(明治37年8月10日)。このとき、日本海軍(参謀:秋山真之)は圧勝したが、「追撃戦」を行い、完全に沈没させる詰めを怠った。そのため、ロシアの主力艦は、多数の命中弾を受けながらも、旅順港に戻りついた。「艦隊決戦」で勝ち、日本海軍が追求の手を緩めたためで、それが、その後、「二百三高地」山頂からの直説砲撃が必要だという事で、陸軍(乃木軍)の59,000人(戦死者15,000人)の犠牲を強いた。(明治37年12月5日に、高地奪回、砲撃開始。湾内のロシア軍艦を全艦沈没させた。)

 

②2.26事件(東京第一師団の青年将校が、斎藤実海軍大将、岡田啓介海軍大将、鈴木貫太郎海軍大将ら海軍の重鎮を攻撃した。)の底流には海軍セクショナリズムによって陸軍将兵に多大な犠牲を強いた海軍(①など)に対する憎悪があった。(p.186)

 

③日本陸軍は、軍制をフランス式からドイツ式に切り替えた。ドイツ陸軍大学のメッケル少佐が明治18年に招聘された。しかし、メッケルは実戦経験には乏しく、ドイツ流の「理論兵学」を誇りとし、議論達者を重んじた。・・・ところでドイツ軍学の最大の欠陥は要塞攻略法を持たない事だった。ロシアの旅順要塞や、フランス軍のヴェルダン要塞など近代要塞を攻略する方策が全くなかった。(乃木軍の工兵は、フランスのヴォーバン元帥の要塞攻略論を独自に研究した。)(p.164)。

 

・「坂の上の雲」の中の記述で「真っ赤な嘘」として指摘されているのは・・・と列挙しようかと思ったが、本を読む興がなくなるだろうから、やめておこう。

 

(追記)

しかし、この、表紙の写真は誰?なのだろう・・。どこにも書いてないが??