・副題は「古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで」。3000年がカバーされているそうだ。まあ、昔の部分は半分神話というか確かめようがない。
・世界地図に記されているのは、これまでユダヤ民族が集団的に足跡を残した土地。1)ペルシア帝国、2)スペイン、ポルトガル、3)ポーランド、4)ロシア、5)ドイツ、6)オランダ、7)トルコそして8)アメリカ合衆国。そしてもちろん9)イスラエルなど。
・それぞれの土地で、必要とされる役割を演じ、その土地の法律は順守する「国の法は法なり」、というスタンスをとり、生き延びる。(「イソギンチャクとクマノミの関係に似ている」と指摘されている。p.57)但し、諸条件の変化で、急に「邪魔者」扱いされ、追い出される場合があった。例えばポーランドでは、小規模貴族との「組み合わせ」が良かった。ユダヤ人は貴族の請負で土地の管理や農民からの徴税を請け負った。しかし、ひとたび経済が悪くなり、歯車の回転がおかしくなると、「搾取の手先」としてのユダヤ人がクローズアップされ、農民たちからの怨嗟の対象となってしまう。
・そんなわけで、「追い出された」土地は、スペイン、オランダ、ポーランド、ロシア。スペインを追放されたユダヤ人の流れはスフォラディーム(ヘブライ語でスペインの事をスフォラドと呼んだことによる)、一方、「ドイツ系」はアシュケナージ(単数形。複数形は、アシュケナジーム)。
・「ポグロム」(もともと、ロシア語。「民衆間の集団暴力」を指す。被害者はもっぱらユダヤ人。)や、「ホロコースト」というおぞましい現象も起きる。ナチスドイツが「ホロコースト」を行った他、全貌はpp.206-224に詳しいが、600万人が殺害された。「地域人口」(p.207に地図):ポーランド300万人、ソ連100万人、ハンガリー20万人、チェコスロヴァキア21.7万人、ドイツ16万人など)。
・「アメリカ合衆国では、ユダヤ人は大きな差別に阻まれることなく一世代で階級上昇し、「白人」と同等に扱われてきた。彼らは望んでユダヤ文化を守り、望んでユダヤ人という集合性とつながり続けてきた。それがソーシャル・キャピタルとなり、政府の支援なくコミュニティーを維持する原資となる好循環のなかにいる。」p.286。このあたりは確かに、「強制的」に奴隷としてつれてこられたアフリカ系の黒人とは違う・・。
◎そういう強烈な「過去」をみると、パレスチナ、ガザでの「過剰反応」も多少はわかる気もするが、そもそもアラブとユダヤは先祖は、異母兄弟ということのようだし、うまく「共存」の途はないものか?イギリスの「三枚舌外交」なんかが悪さした要素もあるな・・。
