・戦史研究家の、平塚柾緒氏が主宰するグループの執筆。沢山の写真と淡々と抑えた感じのコメントで、「躍進満州の野望と挫折」が、浮かび上がる。


・昔、「ラストエンペラー」の、映画を観て、清朝最後の皇帝・溥儀の波乱の人生に感じ入ったが、多くの無垢の独身男性日本人が満州開拓の移民に誘われ、その後は、「大陸の花嫁」として、女性が鐘・太鼓で、送り込まれた。


・ソ連が攻めてきてからの混乱。いろんな具体例が、書いてある。男性の多くはシベリアに抑留されてしまう。「野望」を抱いたのは、国家・軍部だろうが、それが瓦解し、保護してくれなくなった場合、「挫折」が、個人に降りかかる。その実像は、あくまでも残酷だ。