・日経新聞の女性(福山絵里子)記者の、最近の日経新聞への記事をまとめた著書。5月に刊行。何でもOECDのデータベースで、1970年生まれの女性の50歳時点での「無子率」を比較すると、日本は27%とダントツに高いそうだ。人口学的には50歳で子供がいない場合は「生涯無子」と見る・。次いで高いのはフィンランド(20.7%),オーストリア、スペイン、ドイツはOECDの統計には無いが、ドイツ政府の統計では21%とのこと。  また、日本では2000年生まれの女性の場合は、生涯子を持たない水準は31.6%(出生率を現水準で計算)〜39.2%(出生率を低く見積もった場合)。男性は未婚率の高さを考慮するとさらに高くなる。(国立社会保険・人口問題研究所)。

ムキー

 

・無子女性をあえて分類すると、①結婚困難型(十分な経済力を持つ適当な相手が見つからない)。②無子志向型、③出産延期型、④不妊・健康理由型。1986年の男女雇用機会均等法が施行されたが、これで働く女性は増えたものの両立支援は進まず、退職して出産か、子供を持たずに働くかの選択を迫られる傾向が続き、少子化が進んだ。(p.23)。「氷河時代」には子を産める環境に無く、兄弟はいずれも「子なし」とかいう悲鳴も聞こえてきた。「派遣や、アルバイト」がベースでは結婚、子育てには躊躇する。・・・

びっくり

 

・雇用機会均等法の「改正」により、「労働基準法」の「女子保護規定」が撤廃され、長時間の残業をさせることが可能となった。このため・・育児をかかえた女性たちは正規雇用から退出していった。・・また、そのひとつの結果として、(電通での)高橋まつりさんの悲劇が起きた。企業レベルで、「働きかた改革」が導入され、例えば、個別には、伊藤忠では女子社員の出生率は2010年度の0.94が1.97に改善したそうだ。

グラサン

 

・第二章、第三章は、歴史的分析及び、近年の世界動向。第4章「無子化と私たちの将来」では、「社会保障はどうなる?」、「身元証明はどうなる?」、「生きる意味をどう考えたらいい?」、「男性にとっての結婚とは、子供を持つこととは?」

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