・「スペイン語の世界」(岡本信照著、慶応大学出版会)を読み込んでいくと、スペイン本土のスペイン語が南アメリカなど本土以外で使用されるうちに、色々と、新たな意味を持つようになったりしていく過程が浮かびあがっている。何せ、スペイン語を話す人口は世界中で4億3100万人居るけど、スペイン本国は4300万人。約1割。これでは残りの人口の多いところで話されるスペイン語の影響力が増していくのは避けられない。

 

・メキシコ1億2000万人、コロンビア4900万人、アルゼンチン4300万人・・とか南米各国のスペイン語話者数は多い。

 

・語彙でも、スペイン本国では使われていないが南米使われているものも多い。例えば自動車はスペインでは、el coche(コチェ)、南米では、el carro(カロ),*「了解だ」:スペインで、「Vale」、南米では「OK」。ジュースは、スペインでは「zumo」、南米で、「jugo」。きれいな、可愛いという意味で、スペインでは「bonito,guapo」、南米では「lindo」が用いられる。「なぜ、語彙が異なるか?」についてはpp.76-97に詳細が記されている。(「単語別」には、「意外な語源さまざま」pp.100-149に更に詳しく書いてある。奥が深い・・!)

 

・有名なメキシコのマリアッチ「シェリトリンド」についてはpp.123-124に蘊蓄が語られている。cieroは、「空」だが、mi cieroで「私の愛しい人」。lindaは「かわいい」の意味の形容詞。今はスペイン本土では使われなくなったようだが・・。シェリト・リンド 歌詞の意味・和訳 (worldfolksong.com)に訳文とパバロッティの歌がついている。

 

・De la sierra morena,cielito lindo, vienen bajando Un par de ojitos negros,cielito lindo, de contrabando.の部分がよくわからないが、「元歌」があったそうで、それが意味がよく分からないまま残っている・・とか。モレナ山脈はスペインの地名だし、そこのcontrabando(密輸業者)が黒い瞳と具体的にどういう関係にあるのかは・・ちょいとわからないね。

 

(追記)

Valeについては、「了解だ」の意味でスペイン本土で使うが、ラテン・アメリでは「OK」というと「スペイン語の世界」P.74にある。ところが、「まいにちスペイン語」の6月号p.25には、アルゼンチンでは、Daleという・・とある。他の言い方は、Sí,claroとか、Sí, por supuestoとか・・。辞書をひいたけど「ミニ辞典」では、ここまで詳しい説明はない・・・。困ったな?!こんな例が沢山出てくると、もっと詳しい辞書を買うのかな?ま、とりあえず我慢しよう。とりあえず、「ネット」で見た限りでは、アルゼンチンのスペイン語だと 「Dale(うん,わかった)」 「Dale Dale!(早く早く)」 「Dale Dale!(行け行け!)」という意味だそうだ・。Valeとまあ、似てるが綴りも違うし・・・。