・著者は、元、日経新聞の記者で、銀行、証券、商社、ゼネコン、電力などの業界を取材、その後編集委員を経て、『日経ビジネス』の副編集長。その後、独立した。

 

・この新書は、結構、分厚く読みごたえがあるが、戦後から直近までの銀行業界をカバーして、それぞれの時代の背景をまとめ(第一部)、その荒波の中から新天地を求めて他の分野に進出した人々(*『ヤメ銀』と命名)を何人かピックアップして取材してまとめている。「安定」して「社会的地位」も高いバンカーの地位を捨てて新規分野に活路をもとめたそれぞれの「ストーリー」が展開される。(*そういえば、『ヤメ検』(元検事)という言い方があった!

 

・ゲーム業界の内幕とか、メガ・バンク、地銀の「行動論理」あたりも垣間見えてくる。・・

 

・一方で、メガバンクは、専門職を中心に中途採用を増やしている。(これを著者は『イリ銀』とよんでいるが、少しわかりにくいかも・・)「大学を卒業すると、ゼネラリストとして育成」するスタイルは変化してきているようだ。

 

・第III部は最近、急逝した三井住友ファイナンシャル・グループの太田社長に対するオマージュ。異色のバンカーだったらしい。