<フランス語の場合>
〇性・数の変化をしないもの:
・「人物・物」については;「主語」として用いられる場合は、qui, 「直接目的語・属詞」として用いられる場合は、que(後ろに母音が来る場合は、qu'),「間接目的語・状況補語」として用いられる場合は、人については、前置詞+qui,dont,物については、前置詞+quio,dont,où(場所・時)が使われる。
〇性・数の変化をするものは:
男性については、単数(lequel)、複数(lequels)が用いられ、女性については、単数(laquelle),複数(lesquelles)が用いられる。尚、前置詞がá, deの場合、それぞれ、auquel,auxquels,auxquelles、及びduquel,desquels,desquellesが用いられる。(女性形単数は、そのまま;á laquelle, de laquelle)。
(使いかたの具体例)
・Connaissez-vous la dame qui vient d'arriver?今いらしたご婦人をご存じですか?
・Les fleurs qu’il m'a offertes sont très jolies. 彼が贈ってくれた花はとてもきれいです。
・la mère de Pierre,laquelle est en Angleterre:イギリスに居るピエールのお母さん。(quiを使うとイギリスに居るのはピエール)。
・la voyage auquel je pense toujours: 私がいつも考えている旅。
・Plusieurs enfants blessés,parmi lesquels se trouva mon fils.負傷した数人の子供たちの中に私の息子がいた。
・dictionnaire dont il a besoin(彼が必要としている辞書)・dont:avoir besoin de ce dictionnaire
<イタリア語の場合>
〇五種類の関係代名詞がある。(che,cui,quale,chi,quanto),以下、イタリア語は「本気で学ぶ中・上級イタリア語」(本多孝昭著・ペレ出版)を参考にした。
①che(人、物どちらにも使われる。性・数の変化はない。前置詞と共には使わない。)
具体例:L'anziano che cammina con il bastone è il nonno di Ada.(杖をついているお年寄りはアーダのお祖父さんだ。)
Quella é la ragazza che incontro ogni mattina per la strada.(あれが毎朝僕が道ですれ違う女の子だよ。)
*il cheで前の文全体を受けることがある。ciòあるいはquestoと同義。
Non riesco a imparare a memoria le coniugazioni,il che e un problema per me.(うまく動詞の活用が暗記できない。それが私にとっては問題だ。)
②cui(人、物どちらにも使われる。性・数の変化はない。前置詞と共に用いる。主語や、直接目的語にならない。)
La citta in cui abito e molto verde.(doveで置き換えられる)。(彼が住んでいる町はとても緑が多い)。
Quella e la ragazza a cui telefono ogni sera.(あれは僕が毎晩電話している女の子です。)
*per cui で、話し言葉の中で、前の話しの内容を受けて、あたかもそれ全体を先行詞にするかのように独立して用いられる事も。・・per cui ha deciso de vivere in Italia.(そんな訳で、私はイタリアで暮らす決心をしました。)
③quale(先行詞は、人、ものどちらも可。定冠詞を必要とし、性・数の一致がある。すなわち、il quale,la quale,i quali, le qualiの4種類。①、②は主として話し言葉、③は主に書き言葉に登場。特に、①のcheを用いると先行詞がふたつのどちらか判然としない場合などに有用。
(例1)Il fratello di Cristina,il quale suona molto bene il pianoforte,ha comprato una chitarra.(クリスティーナの弟はピアノをとても上手に弾くのだが、その彼がギターを買った。)→il quale の代わりにcheが入っていると、ピアノが上手なのはクリスティーナなのか、その弟なのか、判然としない。)
(例2)Ho cenato con il presidente americano dell'impresa di costruzione,il quale non capisce bene giapponese.
il qualeを用いることで先行詞が、女性形の「会社」ではなく「社長」であると判別するので、「私は、日本語がよくわからない建設会社のアメリカ人社長と夕食を共にした」事がわかる。
④chi(先行詞を含めた関係代名詞で、〜するところの人(人々)の意味。男性単数形扱い、定冠詞もつけない)
Chi troppo vole non è mai soddisfatto.(求めすぎる人は決して満足することはない)
Sto cercando chi puo curare il giardino della mia casa.(私は家の庭を手入れしてくれる人を探しているところだ)
⑤quanto(先行詞を含めた関係代名詞で、「〜するところのもの(こと)」の意味を表わす。cio che, quelloqueで置き換え可。)
(例)Quanto mi hai detto è giusto.(=Ciò che, Quello che)。君が私に言った事は正しい。
*quantiと複数形にして「〜するところのもの(人)すべて」の意味になる。tutti quelli che, tutti colore cheで置き換え可。Possono iscriversi all'associazione quanti lo desiderano.(希望する人は皆、協会に加入する事ができる)。
<スペイン語の場合>
・関係代名詞には、que,qien(es),cual(es),cuanto/a(s)がある。(このほか、関係形容詞にcuyo/a(s),関係副詞donde,cuando,como,cuantoもあるが、これは後日にとりあげよう・・・。)
・特徴は、(1)どれも疑問詞と同じ形をしているがアクセントはつかない(疑問詞の方はアクセントがつく)、(2)性・数変化するものがある、(3)省略できない、(4)cual以外は弱勢語。(弱勢について詳しくは「これならわかるスペイン語文法」(廣康好美著・NHK出版)pp.15-17。関係代名詞についてはpp.277-286)。
①que:よく使われる関係代名詞。前置詞を伴う場合、伴わない場合がある。
(1)前置詞を伴わない場合。
a)先行詞が、関係詞の主語の場合
No tenemos todavía los libros que se han publicado este año.(今年出版された本はまだ入荷していません)。
b)先行詞が、関係節の直接目的語の場合。
Ahi esta el museo que visitan muchos turistas.(多くの観光客が訪れる博物館はあそこだ)。
(2)前置詞を伴う場合。
a.先行詞が、従属節の直接目的語の場合
el chico que conoci=el chico al que conoci(僕が昨日しりあった男の子)aがあってもなくても良い。
b.先行詞が従属節の間接目的語の場合。
「a+定冠詞」を伴う。Voy a ver al senor al que le compraré el coche.これから車を買う人(自分に車を売る人)に会います。
c.先行詞が従属節の状況補語の場合。(次のような使い方:冠詞が省略される場合も)
el producto nuevo del/de que hablé ayer: 昨日話した新製品
al hospital en el que/ en que/ donde operaron a mi madre:母が手術した病院
Este es el tema sobre el que hablamos: 私たちが話しあったテーマはそれだ。
②cual
cualは、基本的にはqueと同じように使われるが、特に、装飾語句を強調したい場合に使われる。cualは、強勢語。
③quien
基本的にはqueと同じように使われるが、先行詞は人に限られる。
(1)先行詞をとるquien(強調したい場合、曖昧さを避けるために使う)
(2)先行詞を含むquien(先行詞を含んで「〜の人」という意味になる)
No sabia nada. Fue Luis quien me lo dijio.何も知らなかったよ。それを言ったのはルイスだ。
慣用句やことわざで多用される
A quien madruga(早起きの人)Dios le ayuda.(早起きの人は神が助ける。)
④cuanto/a(s)
性・数変化する関係詞で多くの場合、先行詞を含んで「すべての」の意味に使われる
No me importa reprtirlo cuantas veces haga falta.必要なだけ何回でも繰り返すよ