・不規則活用の動詞は、仏・伊・西とも沢山ある。できれば、そこに共通した傾向など見つかれば、覚えやすいのだが・・・

 

・まずは助動詞的にも用いるスペイン語のhaber。(昔は、「持つ」を意味していたが、現代のスペイン語では,tenerが「持つ」を意味する。

haber+過去分詞で、現在完了、過去完了をつくる。

〇これはフランス語の複合過去、大過去の作り方と同様。(avoir+過去分詞

イタリア語では、同じ内容を、近過去と大過去という。(avere+過去分詞

 

・活用は、

haber(スペイン語):he,has,ha;hay,hemos,habéis,han

avoir(フランス語):j'ai,tu as,il a,nous avons,vous avez,ils ont

avere(イタリア語):ho,hai,ha,abbiamo,avete,hanno

 

(微妙に似ているところもあるけどね・・。)

 

・スペイン語では、過去形は「直説法点過去」、「直説法線過去」と「haber+過去分詞」から作られる「現在完了」の3種類がある。

 

フランス語では、「点過去」は「単純過去」に相当。文語として使い方が限定される。小説や歴史の叙述などに使用される。またイタリア語では、「遠過去」という。フランス語の場合と同様文語として使われる。シチリア方言の中で使われることがあるとか言うが、通常のイタリア語の話し言葉には不要。・・フランス語、イタリア語とも上記の現在完了表現(仏:複合過去、伊:近過去)を過去形を表わすのに用いる。

 

この場合、特定の動詞にはavoirのかわりにêtre,avereの代わりにessereを助動詞として用いる。そのような例はスペイン語には無いようだ。ただしこれら、êtreや、essereに相当するスペイン語のserについては、動詞serを使った受け身の表現は、現在完了形や点過去形でよく使われる・・。

 

スペイン語の「線過去」に相当するのは、フランス語、イタリア語では「半過去」。「〜していた」という時に使われる。

 

・おそらく、点過去の作り方が割と簡単なのが、スペイン語で点過去が頻繁に利用されている理由だろう。(*)参照。

 

ところで、お題目の、直説法現在形の、動詞の不規則変化にもどって

 

・類似しているかな??三か国語比較。(本当は仏語の主語は消せないのだけど・・

<である>(仏・伊語では上記のように助動詞としても用いられる)

(ser(西):soy,eres,es,somos,sois,son)

(être(仏):suis,es,est,sommes,êtes,sont)

(essere(伊):sono,sei,è,siamo,siete,sono)

 

<来る>

(venir(西):vengo,vienes,viene,venimos,venis,vienen)

(venir(仏): viens,viens,vient,venons,venez,viennent)

(venire(伊):vengo,vieni,viene,veniamo,venite,vengono)

 

<持っている>

(tener(西):tengo,tienes,tiene,tenemos,tenéis,tienen)

(tenir(仏): tiens,tiens,tient,tenons,tenez,tiennent)

(tenere(伊):tengo,tieni,tiene,teniamo,tenete,tengono)

 

<値する>

(valer(西):valgo,vales,vale,valemos,valéis,valen)

(valoir(仏):vaux, vaux,vaut,valons,valez,valent)

(valere(伊):valgo,vali,vale,valiamo,valete,valgono)

 

<知っている>

(saber(西):sé,sabes,sabe,sabemos,sabéis,saben)

(savoir(仏):sais,sais,sait,savons,savez,savent)

(sapere(伊):so,sai,sa,sappiamo,sapete,sanno)

 

<行く>

(ir(西):voy,vas,va,vamos,vais,van)

(aller(仏):vais,vas,va,allons,allez,vont)

(andare(伊):vado,vai,va,andiamo,andate,vannno)

 

まだまだある。・・後で、補充しておこう。

 

(*)ついでながらに、点過去の活用:

〇AR動詞:-e,-aste,-o,*-amos,-asteis,-aron(*は、現在形と同じ。内容で判断)

〇ER動詞:-í,-iste,-ió,*-imos,-isteis,-ieron(*は、現在形と同じ。内容で判断)

若干のつづりの例外(母音変化など)はあるが、後日に記述予定。