再帰動詞に触れてから、「受け身表現」に触れると、説明しやすい。ところで、一般的な「受動文」はスペイン語にもある。英語でのbe+ 過去分詞とよく似ている<ser+過去分詞>。ただし、スペイン語(イタリア語も)は、色々な言い方があるので、受動文は機械的に作らない方が無難。

 

・「まいにちスペイン語」(NHKラジオ)1月号テキストを読んでいたらp.43に「スペイン語では、動詞serを使った受け身の表現は、現在形で使われることはあまり多くなく、現在完了形や点過去形でよく使われる。その時、muchos gatos fueron expulsadosのように過去分詞の主語の性・数との一致が行われる・・」とあった。

 

・また、たとえば、イタリア語では、「誰がやったか良くわからない」時は能動体(彼等)を使い、「私は財布を盗まれた」→(3人称複数の人が、私から財布を盗んだ。

Mi hanno rubato il portafoglio.という。「スパイが殺された」→(不特定の第三者がスパイを殺した。)Hanno ucciso la spia.という。

 

・この一歩先に、seを用いた受動態(受け身のse)がある。

 

過去分詞の作り方

(スペイン語の場合)

・まずは(説明が後先になったが)過去分詞の作り方:ーAR動詞はarを取りのぞき、adoを加える。(例えば、tomar(取る)は、tomado,これを名詞の性数にあわせて、tomada,tomados,tomadasとする)。ーER動詞、-IR動詞はerを取り除き、idoを加える。(例えば、comer(食べる)、vivir(生きる)は、comido,vividoで、同様に名詞の性数にあわせて、comida,comidos,comidas,vivida,vividos,vividasとなる。

 

・不規則な過去分詞は覚えるしかない。中には伊語、と似たものも・・。

(例):原形→過去分詞「置く」(西)poner→puesto,()porre→posto。「解決する」(西)resolver→resuelto,()risolvere→risolto。「見る」(西)ver→visto, ()vedere→visto(これなんかまったく同じ!)。「死ぬ」(西)morir→meurto,()morire→morto。「書く」(西)escribir→escrito、()scribere→scritto。「壊す」(西)romper→roto,()rompere→rotto。「言う」(西)decir→dichio,()dire→detto, 「開く」(西)abrir→abeierto、()aprire→aperto。「つかまえる」(西)prender→preso(2つの過去分詞の作り方があるが,より使われる不規則変化の方。ちなみにもう一つはprendido),()prendere→preso(とこれも全く同型)。

 

<seを用いた受動態(受け身のse)>

「スペイン語の入門」(白水社p.213)。

・se+他動詞で能動と受動の中間を意味する。(例)cortar:切る、rompere:割る、

vendere:売る。

 

・El hilo se corta con frecuencia.(糸はしばしば切れる)

・El plato ensuiguida se rompe en psdadados.(皿はすぐに粉々に割れてしまう)

・Este libro se vende mucho.(この本は、とても良く売れる)

 

・フランス語でも「受動的用法」として紹介されている。「基本的には,

受動態と同様。」「seは、意味上は直接補語でも間接補語でもないが文法上は直接補語とみなされる」、「しばしば可能、または性質(~するものだ)を表わす」。「例」としては;

Ces poissons se vendent sur le marché.(これらの魚が市場で売られる。)

Ce gateaux se coupe facilement.(このケーキはたやすく切れる)

Ce fromage se mange avec du pain.(このチーズはパンと一緒に食べるのがよい。)