ジイタンだよ
エッセイはじめましたよ
今日から時々載せます。
その1 マイナスこそ喜ばしい
私が資格を取って独立したのは昭和の51年。![]()
その3年前には中東戦争を契機とする第一次オイルショックが発生し、日本を含む世界が大変な不況の時代で、インフレ、失業、買占めパニックなどが世の中を駆け巡った。しかもその3年後には石油価格の二倍もの値上げによる第二次オイルショックで、経済界はますます混乱に陥っていった。独立はその狭間の時だ。![]()
そんな時の旗揚げだったせいか、それ以来、私には世間が不況だとか何か芳しくない状況になると、何となくうれしくなるという、妙な習性が生まれてしまった。俺の時代だ、などと気分が高揚するのである。![]()
年賀状が少ないとか、お中元やお歳暮が少ないとその後の業績が大きく発展するという、変なジンクスもできた。みんなが嫌う四という数字にツキが来るというのもなんだか不思議だ。![]()
と言っても、不況になると身を引き締めて頑張るからなどといった、かっこいい精神からのものではない。勝手にひとりでにそんな気分になるのだ。![]()
不況などのときには大方の人は守りに回る。私の同業者たちもこんな時は雌伏の時とばかりにおとなしくしているため私の独壇場となる。もちろん業績は大きく伸びる。![]()
一般のビジネスパーソンだって同じだろう。![]()
不景気だといってみんながシュンとなっている時に、毎日元気に明るく、大声を出して飛びまわれば当然目立つ。それはそのまま当人自身にも自己暗示効果をもたらしてやる気が活性化されるし、周囲にも波状効果をもたらしてみんなのやる気も活性化されるという次第。![]()
そんな人材を目のある上司が放っておくはずがない。当然彼の将来にはスポットライトがあてられよう。![]()
もっと話しを広げるなら人生だって同じことだ。一般にマイナス材料が生まれたりアクシデントが起きたり大きな失敗をしたりすると落ち込む、やる気もしぼむ。落ち込みは何とか乗り越えたとしても、早くこの状態を解決して元に戻さねばとか、反省して今後に生かさねば、となるのがせいぜいだろう。![]()
そうではなく、困ったことが起きたので大変喜ばしい、大きな失敗をしてしまって嬉しい、と発想を変えて生きてみてはどうだろう。![]()
例えば大きな失敗をして重役に呼ばれ大目玉をくらったとしたなら、普段はあまり接する機会もない重役に自分を売り込むチャンスではないか。少なくともこれを機に名前を覚えてもらい自分の存在を知らしめるチャンスにはなる。![]()
営業成績が悪くてあまり仕事もない閑職に追いやられたというなら、ヒマを活用して勉強し資格を取るのもよい。左遷されて地方に飛ばされたなら空気の良いところで英気を養う、子供たちをのびのび育てる、資金があれば安い土地を広大に買い占めて、地主様になるというのも悪くない。私の友人にもそんな折に小川の傍に広い土地を買って別荘を建て、本社に戻ってからも時折そこに行ってはのんびり釣りを楽しんでいる者がいる。![]()
考えを巡らせばまだまだ、マイナス材料だからこそ生まれる良いことはたくさんある。要は「しめた、これを逆手にとってプラスにしてやろう」と発想する神経が生まれるかどうかだ。人生を利用するも人生、人生に翻弄されるも人生。![]()
この回 おしまい