ジイタンだよ
今日は、『武家の棟梁とその息子のこと』というお話だよ
昔々ね、京の都に強い武家の棟梁がいたんだって。武家の棟梁というのは武士たちの頭、長ということだね。
で、ある雨の夜にその棟梁の館に馬泥棒が忍び込んで馬を一頭盗んだんだって。その馬は名馬として誰もがほしがっていた馬だから、棟梁も大切にして可愛がっていた馬なんだ。
少しして馬が盗まれたことに気がついた家来が騒いだので、棟梁は跳ね起きるやいなや弓矢を取って別の馬に飛び乗り追いかけた。泥棒がどっちの方向に逃げたかは、戦いに明け暮れてきた武士としての直感でわかったから、馬にムチをあてるや駆けて行ったよ。

ところでこの棟梁には若いのに武勇の誉れ高い息子がいたんだね。で、別の部屋で寝ていたこの息子も家来の騒ぎを聞くやいなや弓矢を取って馬に飛び乗り、父親から少し遅れて追いかけたんだね。
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あたりは真っ暗闇だから父親がどっちに駆けて行ったかわからないはずなんだけど、息子は迷わずに父親が進んだ方向に駆けて行ったよ。
まだつづくよ