2024/7/9
首都圏三環状高速の完成は、地域のドライバーの悲願だが……
© ベストカー 提供
■多発するシールドトンネル事故
近年、長大シールドトンネルの建設現場で事故が多発し、
高速道路の重要路線の開通がベタ遅れになっている。
建設費もどんどん膨らんでいる。
日本の高速道路は、予定路線の9割が完成し、建設の
最終段階に入っているが、最後の最後に来て苦戦となって
いる。
道路に限らずシールドドンネル工事全体で見ると、ここ
10年間で10件以上の大きな事故が発生しているが、その
うち近年発生した道路用シールドトンネルの大きな事故は、
以下の通りだ。
●2018年12月 広島高速
●2019年1月 圏央道南側区間
(横浜湘南道路)
●2020年10月 東京外環道
●2021年8月 圏央道南側区間(横浜環状南線)
■時期的な要因があった工事費の膨張工事費の膨張も問題だ。
■道路建設長期化に追い打ちをかける建築資材の高騰
2024年6月27日
7月7日、最高裁判所は、東京外環道の建設ルートの
周辺住民らが、大深度地下トンネル工事の全面差し止め
を国やNEXCO東日本などに求めた仮処分申し立てに
ついて、認めない決定を出した。
「えっ、つまり東京外環道は建設できるわけ?」
報道では、「工事差し止めの仮処分は一部区間のみに
とどまった」とされているが、一部区間とは、東京外環道
16kmのうち、南側9kmの本線トンネル部分(東名JCT
から井の頭通り付近まで)を指す。
つまり半分以上の区間の工事が差し止められたままだ。
質問の直前に、しんぶん赤旗日曜版のスクープで発覚した、外環道における監視・盗撮問題。
— 池川友一 Yuichi Ikegawa (@u1_ikegawa) July 6, 2024
陥没事故の被害住民に対して、事もあろうに事故を起こした側が監視・盗撮する。
住民の怒り、不安をとにかくまっすぐにぶつけたが…
小池知事は事故現場に一度も行っていない。pic.twitter.com/Ph5XTqIRXA
2024/6/26
リニア新幹線は神奈川県相模原市緑区小倉で、現在建設中の
高架橋で相模川を横切る計画だ。
問題の発生は10月11日。建設現場で、相模川の西岸に位置
する工事ヤードでは、高架橋の下部工(橋脚の基礎工事)
が行われていたが、ここに直径数mの鉄パイプを5本地中に
掘った穴に打ち込んだところ、傾いた。
12日、それを引き抜くのに重機が投入され、朝から夜19時半
までかけての引き抜き作業が行われた。その間、すぐ隣に住む
Sさん宅は揺れ続け、「ドドド」との轟音もやまなかった。
藤沢IC~栄JCT間
シールドマシン(2号機)の掘削の様子(画像:横浜国道事務所)。
開通予定は2025年度でしたが、いまは白紙状態に。国道事務所
は整備効果について、「広域的な交通の円滑化を図るとともに、
地域交通の交通分担を適正化し、国道1号などの交通混雑を緩和
する」としています。
◆2021年1月にシールドマシンの掘進が始まった
高速横浜環状南線と桂台トンネル区間の概要図
(大成建設など共同企業体のパンフレットより)
2024年6月15日 07時09分