2022.06.11
NHK会長「放送は不適切」 “ワクチン接種後死亡”遺族の報道
配信
NHKの稲葉延雄会長(毎日新聞)
NHKの報道番組「ニュースウオッチ9」が、新型コロナウイルス
ワクチンの接種後に家族が死亡したと訴えている遺族を、コロナ
感染により死亡したと受け取られる形で放送した問題で、NHKの
稲葉延雄会長は24日、「(放送は)適切ではなかった。取材に
応じてくださった方や視聴者の皆様に、深くおわび申し上げたい」
と陳謝した。同日の定例記者会見で述べた。
NHKによると、取材したのは、ニュースウオッチ9で映像を
編集している映像制作の職員。「日常が戻りつつある中で、
コロナ禍を忘れない」という趣旨で提案した。コロナの遺族取材
は初めてで、「取材した当日に遺族がワクチン接種後に家族を亡く
した方だと認識していたが、コロナ禍で亡くなった方という意味
で放送した」と説明しているという。
編集責任者による事前の試写は行われたが、どのようなチェック
があったのかについては、現在調査中であるとした。
また稲葉会長は、現在総務省の有識者会議で議論されている
NHKのインターネットの活用業務のあり方について、「ネットも
放送と同様の公共的な役割が必要と考える」と述べた。有識者
会議ではインターネット業務をテレビ放送と同じ「本来業務」と
すべきか検討されており、26日にはNHKへのヒアリングが行われる。
【諸隈美紗稀】
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