〈PRESIDENT5月13日号〉
鈴木 寛 著者インタビュー
日本人はテレビが好きだ。本書でも紹介されている「世界価値調査」に
よると、テレビを信頼する人の割合は、80カ国中、中国、香港、イラクに
つぐ4位。信頼度が米国マイナス35% 英国がマイナス34%なのに対し、
日本はプラス37%。先進国では異例の高さだ。
「これは日本がメディアリテラシー教育をやってこなかったからです。
テレビ報道は公正中立なものではなく、かなりのバイアスがある。
そんな世界の常識が知られていません」
特別企画「鈴木寛『テレビが政治をダメにした』第二章
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民主党の鈴木寛参議院議員(@suzukan0001)による『テレビが政治をダメに
した』という新著が4月3日に発売されました。通商産業省、慶應義塾大学環
境情報学部助教授を経て参議院議員となったスズカンさんは、役人、情報
社会学者、国会議員という多様な立場で政策に関わってきた貴重な人材で
あり、民主党を担う政策通、論客としても知られています。そんな彼が「テレ
ビから干される覚悟で書いた」と語る本書では、視聴率至上主義に走るテレ
ビ局やキャスター、テレビにおもねる政治家がめった斬り。テレビメディアと
政治の関係を紐解く貴重なメディア論にもなっています。
テレビは1953年2月にNHKが、8月には日本テレビ放送網が本放送を開始
します。それ以来、60年が過ぎたわけですが、大きく三つの時代に分ける
ことができます。(1)ありのままを伝えていた時代(1980年代中盤まで)、
(2)視聴率が取れる映像を狙い始めた時代(1980年代中盤~1990年代中
盤)、(3)デジタル技術の導入で、自由自在に画像編集・画像処理ができる
ようになった時代(1990年代後半~)です。
この日本テレビの生い立ちは、日本のメディアのあり方に極めて大きな影響
を与えました。即ち、健全な民主主義の発展にとって、新聞がテレビ局を所
有するということは、絶対に避けるべきというのが先進国の常識です。独立
した新聞とテレビが緊張感を持って、相互に批判し合うことで、偏向報道や
恣意的な記事の掲載が難しくなり、結果として、社会に正確な事実とバラン
スの取れた論評が流通することとなります。
しかし、日本の場合は、新聞社がテレビ局を事実上支配しているところから
歴史が始まり、そして、NHKを除くほぼすべてのチャネルが、新聞社の所有
であることで、新聞社グループの馴れ合いの構造や談合体質ができてしま
いました。
実は、BS放送、CS放送導入のタイミングが、これを打ち破るチャンスだったのです
が、BSについては、免許割り当てでBSイレブンなどの例外を除き、事実上、地上
波の資本系列をそのまま踏襲した形になってしまいました。CSについては、スカイ
パー!、ディレクTVなどの登場により、報道の実質的、本格的な多様化が期待さ
れ、事実、国会TVなどの独立系テレビがCS放送には登場しましたが、衛星放送
回線の利用料が高額で、採算を取り続けることが極めて厳しくなり、閉局に終わり
ました。
http://tsuda.ru/tsudamag/2013/04/2442/