講義録*武道芸術専門学校・商業音楽科
〔ソングライティング〕〇月△日.
こんにちは、2週間振り。
ゴメンね、先週は休講にしちゃって。
作詞の創作方法論てか、修辞学論的基礎、本日は『曲名』について学んでいこう。
前回は、まずテーマを決めよと皆さんを諭しました。
今回もゴタゴタ述べず、間取区図(マトリックス)的に分かりやすく、箇条分類で論じてゆくよ。
ソングライティングに取りかかる手順として、歌詞が先かメロが先かが、まずは俎上にある訳だけど、本日は其れには触れません。
あくまでプロ現場の歌詞の制作工程だけを見よう。
結論から言おう。
商業音楽という見地からは、まずはコンテンツたる歌詞を書く前にタイトル~『曲名』~を決めるのが定石です。
「そんなのおかしいよ。書いている内に、タイトルとコンテンツ内容(ナカミ)が合わなくなるかもしれないじゃん。」
ですって?
まぁ誰しも、そう想うよね。
でもね良いかい?
極論するならって、実は決して極論じゃないんだけど、ヒットってタイトルで決まるんだよ。
「えっ!」
とか想う?
そうかな?
良く言うじゃん、
「第一印象が肝心」って。
それは歌詞も同じなんだよ。
あ、勿論ネーミングもね。
アマチュアバンドが何故アマチュアかって、もうネーミングがアマチュアなの。
例えばサマソニに出場するバンド5組と、ライブハウスのオムニバスディに出演の香盤表を見比べれば良い。
あ~ら不思議、ドッチがサマソニかドッチがライブハウスか一目瞭然。100%、プロらしい、アマらしいって分かるよね。
これはエンタメの世界では、カナ~リ言い得ること。
例えばさ、映画とか📺ドラマとか、どアタマの5分に全てをかけるじゃん、当然。最初の5分が退屈だったりオモン無かったりでも、途中から俄然引き込まれる様になった、なんて映像作品なんかあり得ないよな。バンド名とかそうだよね。
あ、ごくマレ~~~に例外はあるか。
余りにダサダサなんで、これじゃキラキラの方がマシじゃんてバンドがあって、それだけでオレは見向きもしなかったんだけど、何か若い衆に人気あるのが不思議やった。
で、オレには当時、中坊の甥っ子がいて典型的な秋葉オタク系で、そのバンドが全面的に音楽付けてるっていうアニメ映画見て、おう、メズい、ダサ名でも才能あるんか、と納得したことはあった、閑話休題(ソレハサテオキ)。
て事でヒットタイトルについて以下、まとめてゆくよ。
【Format】
文体、ってことね。
これ、🎌てかJ-Popでは何か馴染み無い感覚じゃね?
だって曲名って大体が名詞型に決まってるもんね。
洋楽はそうじゃなくて、文章とか会話とかの形態が分類出来るほどにあるって訳だ。
どれどれ、じゃその内訳、どんなものがあるだろう。
♢Label⇒ニホン語的にはレッテルっていうこと。
まぁ、多少の形容詞くらいは身につけた名詞ってことかな。
その歌詞の内容を、
『一言で言えば』
っていうコトバを、マンマ曲名にするって事ね。
因みに英語の『一言で言えば』って、うふふって想っちゃった。
この表現、誰か知ってる?“in a nutshell”だってさ😀。お次。
♢Statement⇒今、歌詞の作者や歌詞の登場人物がどういう状態であるか、て事。
なるほど、確かにこれはタイトル、名詞型に加えて文章とか台詞的になるよね。まぁ誰でも真っ先に、
“Don’t Stop the Music”を想い浮かべるよな。他にも、
“I Just Can’t Stop Loving You”とか
“You Give Love a Bad Name”とかの例をあげている。
♢Command⇒で、出た~~~、J-Popだったら敬遠される典型のタイトル。
左様。
ニホン人それも若者たちは、命令されるの大っ嫌い。
だからヤンワリ感は、逆にJ-Popタイトルのお約束、みたいな事でもあるよな。
でもね、ヤパ~リ之れ、言語の文法の差である気もするんだ。
何しろ英語は動詞、ただハダカに置くだけで、コマンド即ち命令文になっちまうじゃん。
ニホン語は其れに使役感活用をくっつけちまうんだから、まぁタイトルにはしにくいよね。
“Let It Be”でさえ、カタチは命令文だもんな。
そう感じさせないところが、英語のズルさなのかもね。
♢Question⇒説明不要だよね?そう、疑問文です😀。
そして?や!を付けるってニュアンスにより、感嘆文も含みますって、
感嘆文がイッチャン多かったりするかも。
でもね、実はこれをイッチャン皆さんに言いたかったの。
それはね、洋楽の疑問文て邦題にする時プロは、とっておきの秘密兵器使って訳すの。
どうするか?
それは疑問文を、其の内容によって
① 比較級(その多くは最上級)。そして
② 仮定法
↑
これ、あ~だこ~だ言ってないで、実例を示そう。
“How Deep the Ocean?”
↓
「この海はどれだけの深さなのかな?」
なんてダサい事、誰も言わないよね。
そう、「海より深く」だよね。
何と比較して?そうそう、「キミへの愛」とだ。
ね、だから実質的に最上級でもあるよね。
“How my Heart Sings?”
↓
仮定法の例。「我が心に歌えば」
オレはビルエバンスのアルバムタイトルで知りました。
少し余談だけど、ジャズのスタンダーナンバーの邦題は、📺の黎明期に放送作家として活躍していた、有名な方が優れたタイトルを考案してます。
「誰、それ?」
うん、もうキミ達のパパやママより、おじいちゃん達に聞いた方が良いかも。
以上、タイトルのフォーマット4種について述べてみました。
次回は”The Meaningful Title”
タイトルへ、どういう方法で意味を持たせるのか、其れを同じく、分類法の手法で皆さんと学んで見たいと考えてます。
お楽しみにね!