こんにちは、多々良です。
どうだい。Bach、弾いてる?へへっ😀。
イジワルはこの位にして、本題入りますよ。
余りに自明のことなんで、
誰も疑問にも思わず、だから
指摘もされず、しかも
間違えないので、見過ごされてきたIssue。
「んなもの、無いです!」~と、K子に合いの手を桜(サクラ)~
それが探す気になればイパ~イあるんだよ。
前回のショパン・別れの曲、立派にその一例に入るぜ。
「でもアレは単なる出版譜の違いで、どっちが多く利用されているか、という事じゃん」
ほほう。
つまり悪いのは楽譜の出版社って事ね?
ま、それも一理あります。
なので、これから楽譜出版社のせいではない、例を示すよ。
これだ。
バッハのインベンション№3D Dur.
で、実際にどう弾くか、のパターン例。
2拍目真ん中のラ#。モルデントが付いている。
~あぁ、K音楽院楽長、「な~に、入れ歯?」とか言うんだろうなぁ~
それはポリデントだよ!
で、どう弾くかな訳だがどうだい、ぜって~(A)だろ?
これ、教わらなくたって(A)を弾く。
何故だ?
何故(B)を弾かないんだ?
ね。
当たり前田のクラッカー過ぎて、説明の仕様がないでしょ。
この”Invention”は国内の出版社Z音版で、一応巻頭には装飾奏法の一覧があるし、ムズそうなのには、装飾音に番号付けて奏法凡例まで示してある。
が、ご覧の通り。
このラ#、何の説明も註もないんだよ。
ラ#って名前の芸能人いなかったっけ?
ラシャープ石井か。
「だって弾くってか、私たち演奏者が間違えないんだから、別に良いと思います」
いんや!
それが問題なんだよ。
なぜ間違えないで、ちゃんと瞬時に(A)と正しく判断して弾く事が出来るのか。
これね。
この曲集のネーミングである、
” Invention”とも深くかかわった問題なんだ。
流石に習った時、” Invention”の意味は教えてもらったよね?
「いいえ。だから意味なんか知りません」
オイオイ、じゃなんで先生に聞かないんだよ。
「聞けるもんですか!アタシその時未だ6歳ですよ。先生おっかなかったし」
そっか。
だから其れも、” Invention”て殆どイコール練習曲だと思ってしまってる要因なんだな、やれやれ。
良いかい。
” Invention”て
「作曲(の手引き)」
って意味なんだよ。
イパ~ン的には「発明」ね。
だから、弾けるようになるためだけじゃないんだ。
否、逆だ。
弾けなくても良いから、作曲法を身に付けよ、っていうのが、この曲集の一番の目的なんだ。
あっ、そうか。
確かに作曲(法)のための練習曲とは言えるね。
でも断じてフィンガートレーニングなんかじゃない。
ここでラ#のモルデントを、キミ達が何の疑問を抱く事なく(A)を選んだのには、そこに至るまでの何らかの経験値がなければ、なし得ないハズだ。
だからバイエルを卒業するまでに伏線、ちゃんと潜んでいるんだよ。
更に ・・・ さらに更に!
これは未来へも繋がっているんだ。
即興演奏を土台とするジャズへと、ね。
つべこべ言わず、(B)を弾いてみよう。
(A) ・・・ ラと共にソも#している。長2度音程。
(B) ・・・ ソは♮のママ。こっちは短3度だね(註)。
和声構造を見てみよう。
当該小節は、Dominant7th(属七和音)であるFis7だけど、此の小節の数小節前あたりから主調D Durの平行調であるh mollになってる。
まず之れが1点。
そして当該箇所のノーテーションであるラ#とソ#は、h moll 上の6度と7度。
これは短調のスケールモードが、
・旋律短音階(以下略称Mm)
・和声短音階(以下略称Hm)
・自然短音階(以下略称Nm)
をケテ~付けする、ノーテーションだという事。
つまり Hm & Nm では無くて Mm である、ということだ。
以上の2点から、次のルールが暗黙の了解として存在している、という事が判明する。
①装飾音音程は、2度間で行われる事。
但し長調音階上では余りに当然なので、何ら迷う事ナシ。
②短調音階上のノーテーションにつけられた装飾音は、Hmを選ぶ事
は出来ない。
しかし①と②とは、最早切っても切れる関係ではない。
装飾音の音程が2度であるのがデフォである以上、音程が短3度となるHmは、おのずから弾かれてしまうからだ。
つまり🎹学習者は、極々最初の導入教材をこなしたことで、これが身に付いている、という事になる。
ここで” Invention”なるネーミングの深い意味のひとつが、思い当たってくるのですわい。
~ここで休憩~
(註).多々良真教授は、増減による音程測定は一切無効の立場を取ります。