〔音楽雑記帳〕2024年1月×日

年初授業Memo

 

やぁ、明けましておめでとう、多々良です。

あとほんの数回の授業だけど、本年もよろしく。

 

年度最後の授業でアレンジについて話したけど、今日はその捕捉みたいな事を最初に云っておこうかな。

 

年賀状を何人かからもらってて、その中に、

 

「じゃあアレンジャーって、どうやって犯人の犯行動機を見つけるんですか。そのためのトレーニングって、何かやっているんですか」

 

って質問書いてきた方がおりました。

良い機会なんで、合わせて想うところを述べましょう。

 

実はそれ、作詞論でも少し述べたと思うんだけど、アレンジャーって如何にもオーケストレーションや、今だったらDWA、あれ、今はそういう言い方しないね、DTM ・・・ ヒャダインと岡崎体育サンはORM= one Room Music とか呼んでたな。

それに文字通り打込んでる姿を思い浮かべるけど、まぁその通りなんだけど、でも極論するならばアレンジャー、犯人の犯行動機ってデカ(刑事)サン達、必ず膨大な聞き込み捜査するよね。

こんなんBGMにして、~ 太陽に吠えろのゴリさんテーマを弾く ~ 結局はイメージの察知、という事だから、むしろ音楽以外の視覚だったり、嗅覚だったりっていう、音楽=聴力以外の様々な五感を磨く機会を持つようにしてるように想える。

 

特に確認したわけじゃないよ。

少なくともオレ、多々良はそうだ、という事と、松全谷正隆サンてアレンジャーの中でも比較的コメントされる人で、彼のコトバを聞いていると、凄くそう思えてくるんだ。

ほら、あの方、凄く🚍好きじゃない?

そういうのも根底で資質に繋がってるんじゃないだろうか。

閑話休題(ソレハサテオキ)

 

作詞の時に云ったのは、「映画」ね。

プロの作詞家さんたち、本当に良く映画を見てる。

それを凄く参考にしてる、って事。

アレンジャーも同様だろうと想う。

YOASOBIのアヤセさん、ブレークの契機になった夜を駆けるが、ビジュアルとのシンクロナイズで制作したわけだけど、話してきたことの一例ってか片鱗じゃないかな?

 

で、オレはその点で云うと、全く落第の劣等生、アレンジャーとして。勉強していない。映画、無知なんだよ。必要性は分かっているのにえ、~「分かっているなら見てるハズでしょ!」~だって?

アハハ、そうだよな。んな事云う資格もないやね。

 

なんかねぇ、キライって訳じゃないけど、「劇場に行く」っていう行動のプライオリティが低いの。

だからせめて、ホームシアターだけはお金かけるようにしてるんだけど。ホーボー軒で上映会をやるのは、実はお客さんより自分のためだったりするんだ。

 

で、お正月ですが、正月特番でNHKが総合放送で黒澤明監督の、「いきる」

を放映しました。

 

今まで2~3度は見てるので、見送ろうとしたんだけど、この映画は印象的な音楽シーンがあることを想いだし、そーだヤッパリ見ておこう、と録画して昨晩、観たのよ。

 

で、OP観て驚いた。音楽担当が早坂文雄なのは周知だけど、演奏がキューバンボーイズってあるの。

分かる、キューバンって?キューバの音楽ってことだ。

この映画、何時の時代だと想う?

昭和27年、未だ戦争が終わって7年しか経っていないんだ。

それでキューバ音楽って、凄くないかい?

で、何でオレがそんなにキューバンボーイズに眼が釘付けになったかというと、オヤジが東京キューバンボーイズってアナログレコードを持ってかけてたの、ガキのころ。

『東京』って無くてもキューバンボーイズ、東京キューバンボーイズに違いなか!と確信したからね。

 

で、キューバンボーイズのサウンド、アチコチのシーンで劇伴しているんだけど、主人公のお爺ちゃんが若い作家と入ったダンスホールで、生バンドとして演奏している。そう、本人たち出演だった。

ピアニスト、吹き替えでもましてや出鱈目でもなく、ちゃんとリアル演奏だよ。だからまごうことなく音楽担当者が総出演。

東京スカパラが出てるようなものだね。

 

キューバンて、リズム的にはビギンとかルンバとか、あとキューバンボレロね。これはスペインのそれと違って16分3連こそ律動要素ではあるけれど、4/4拍子なんだ、3拍子じゃなくて。

 

「先生、知ってるよ。ジェフ・ベックもELPもやってるから」

 

良く知ってるな!

 

「お父さん、プログレ少年だったんだって」

 

なるほどな。

おっともとい。

演奏は今聴いても全然古くないし、この時代にあって演奏力、メッチャ高い。

ほんの数年前まで演奏も鑑賞も禁じられていたというのに。

 

あと、明らかに名画『カサブランカ』の剽窃と想われる音楽シーンもある。

 

自分はとても映画を語れる資格なんかないけど、でもこういう音楽のふんだん&効果を見きわめた作品だから、ミュージシャン崩レの身として、それも映画監督としての資質の一つだな、くらいは云わせてほしいし、バチは当たらんよね。

 

なので皆んなも機会あったら「いきる」、是非ご覧下さい。

え、Tverで観れますかって?

それくらい、オレじゃなくて彼氏にでも教えてもらいなよ。

じゃ今日の本題、歌詞テーマの決め方と分類に入るよ。