よっしゃ再開するよ。
えっとどこまで何を話してきたか、よく覚えていないんだけど、まぁ良いや。
どうせ全然別題28号の話題から始めるから。
もう随分と以前のことになるんだけど、ブソゲー専門学校のデザイン科で開催した、講演会の引率したことがあるんだ。
ブソゲーって他の私学音大には珍しく、先に美大で発足しているんだよな。
これ、メッチャ珍しい例で、美大と音大の同居してる私大って、他に1校くらいしかないだろ?
だから当時、オレたち音楽屋は、けっこう借り出されたんだ、美大側のイベントとかに、スタッフワーク要員としてね。
講演会の講演講師は、ポールランドっていうアメリカのグラフィックデザイナーで、企業案件のクリエーターとしては非常に高名な存在だった。
だったって、メイビー今も活躍していると思うけどね。
代表作として、IBMとかのロゴは彼の手によるものと通訳さんから紹介があった。
あっ、この通訳さん、オレに対してトンデモなお土産話を置いてゆくことになるので、
これも追々話すことになると思う。
当日の会場では、彼が手掛けた企業PRのポスターが何点か掲示されていて、
当然キャプションも付いているし夫々の説明もあったはずなんだが、残念ながら
IBM以外は、もう覚えていないや。
でも、まぁいいや、それは大して重要じゃないから。
この講演の中で、オレの関心を強く引く話があったんだ。
それはね、聴講者に
「皆さんはデザイナーと画家の違いを説明出来ますか?」
と問うたんよ。
これ、オレもキミ達も音楽畑人種だけど、一度ならずは思ったことあるんじゃないだ
ろうか?
当時オレは学生の就職を担当していて、それには音楽も美術も境目なくやってい
たから、美術学部生の対象となる就職先も開拓活動していたんだ。
てかね。ある業界に於いては美術も音楽も、双方とも採用対象となる企業も結構あるものなんだ。
え、ある業界って何って?それ、今日はムリ。
語りだしたらキリが無くて、到底この講義科目ワク内で収まらないので、3年生の後期に必修科目「メディア業界アクセス論」で伝授することになってるからね。
話を戻そう。
そうそう、画家とデザイナーの違いだったっけ。
オレはコレ、
「作曲と編曲」
って、勝手に脳内変換してもうた。
その変換されたバカ脳状態で以て、👂を傾けたんだ。
こんな連想、まぁオレだけかもしれない。
でも丁度この頃、自分の作曲能力に限界を感じてて見切りつけようか否か、凄く
迷っていたんだ。
かたや編曲の依頼もこなしだし、自分はどうもコッチ向きかな、と思い始めてもいた。
それとね、友人で絵画とマンガの達人がいて、彼は割と固い業界の大手企業勤めしてたんだけど、まぁ駆け出しサラリーマンにありがちで、出来れば絵描きで生計立てられんかな、とオレに相談に来たんだ。
オレは何人か新卒を採用してもらって、社長さんと懇意になったデザイン事務所、それも中々大手のね、そこを紹介したの。 … その結果?それがこれからの話と繋がってゆくんだ。
自身がたまさか、そういう状態だったから、オレの莫迦アタマ脳内作用、
♢(美術)画家:(グラフィック)デザイナー=作曲家:アレンジャー
更に元からの思いこみである
『作曲家>アレンジャー』が、
『作曲家>>>アレンジャー』てなもんや三度笠になりつつあった。
で、Mr.Paulrand。
「皆さん、このポスターをご覧下さい」
と、↓の様な掲示ポスターを指差した。
「これはブリタニカ社という百科事典会社の広告ポスターです。本棚に百科事典
が収まっている状態をシンボライズしたわけで、上段の真ん中は直線がナナメにな
っていますね。本棚から一冊が抜かれた状態を抽象化しています」
オレ:「!!!」
「描くのに使われているのは、全て直線だけです。
これはペンと定規類、それもせいぜい直線定規と三角定規のふたつがあれば、子供でも描けますね。
でも描かれたモノは、『百科事典』という意味が持たされています。
これが『デザイン=デ・サインする』という行為なのです。
芸術的な絵画を描けなくても、このようなコンセプトを考えられる力。
それがデザイナーに要求されている能力です、ですから … 」
オレ:ウンウン。もう何言うか分かるぜ!
「極論するならば、デザイナーは絵を描き示さずとも、或いは例え描けなくなったとしても、立派にデザイナーを務められるのです。
一本の直線だけという、これ以上は無いというほどにシンプルな子供の落書きの如き絵を、百科事典の本箱そしてそれを利用していると、サインできる力 ・・・ なんと申しましょうか」
オレ:Imaginationn!
オレは引率という職務を忘れ、思わず大声で叫んでもうた!
「Oh,、ミスター、その通りです。ご理解いただけ嬉しい」
オレ:😅😅😅
そういう講演会だったのさ。
餅、大声出したから、後で校長にはけっこうな罰食らったんだが、オレにはかけがえない機会だった。
そんなの有名税のウチさ。
ここからはオレのマトメに入るよ。