定年は夏休みの最終日
先日,大手企業を早期退職して
その後,ロック(音楽の)バーを
開業した方のお店に行ってきました。
彼はやりたいことが
ハッキリしていて,
家族を養い子供も育て上げ,
ようやく今やっと
自分のやりたいことだけを
やっています。
今が一番幸せだそうです。
毎日大好きなロックと
お酒に囲まれて過ごす時間,
お客様は来たってこなくったって
関係ない。
お店は自分のために
開けているようなもの。
確かに,行った日も貸し切りかな?
って思ったくらい,
他にお客さんいませんでしたね笑
彼は,そのお店の開業にあたり,
退職金はほとんど使いきっちゃった。
今は売上でお店の家賃を払うと
赤字になる月もあるようです。
今まで大企業の管理職だっただけに,
この思い切った生活の振り切り方を
奥様には理解してもらえず
とうとう別居したようです。
これまで働いてきた証の退職金,
長年積み上げてきた結婚生活を
失ってでも,
やりたいことを貫いている。
「だって,今しかないから。そうだろ?」
すごいな~と思いました。
おまけに「お前らは不幸だ」
って言われました。
なぜなら
「やりたいことが見つかってないから」
うーーーん,なるほどね。
これは私がキャリコン相談で
扱っている分野です。
彼を見て思いました。
私は,これまで定年後に悩んでいる人を見て
(もちろん自分を含め)
やりたいことが見つからないから
モヤモヤしているのだと思っていたけれど,
本当は「やりたいこと」が
見つかっていないんじゃなくて,
「やりたいこと」はみんなあるけど
「やりたいこと」を実現する
勇気がないだけなんじゃないかと…。
その「やりたいこと」のために,
お金とか家族を捨てられますか?
それくらい真剣ですか?
ってことなんじゃないかと。
言い換えれば,
それなりの覚悟がない限り,
「やりたいこと」なんて
実現できないまま
人生が過ぎていってしまうんじゃないのかな
って思ったんですよね。
彼曰く,
「働こうと思えばどんな仕事だってある。
ダメだったらまた働けばいい。
なにためらってるの?」
50代は一番年収のある時期。
老後の「安泰」を手に入れるために,
イチかバチかの賭けにでなかったら,
この先情熱とか感じることなく
終わっちゃうのかな。
「つまんねーな」
そう言う彼の声が聞こえてきそう。
いやー,
それにしても、この人,
よく30年余,
あのお堅い会社で働いていたなって,
そっちの方も感心します。
でも,彼が一番すごいところは
自身の定年退職日に
ずーっと前から照準を合わせ
ちゃんと準備していたってところですね。
はい、55歳になりました、
今日で辞めて
明日から退職金でバーを始めます!と
「エイ、ヤッ!」で
始めた訳ではないのです。
バーを開くために
資格を取り,資金を準備し
お店の場所を確保し
食器だの決済システムだの
いろいろ用意した。
あんなに残業していたのに
どこにそんな時間があったのかしら。
夏休みの宿題みたいですね。
夏休みに入ってすぐに計画を立て
毎日コツコツと宿題をこなしていたら
8/31にちゃんと間に合う。
だけど,だいたいの人は
一週間くらい前になってから
あれもやらなきゃ,これもやらなきゃと
バタバタ慌てだす。
定年も同じです。
ちゃんと準備した者勝ちなんですね。

