891「リンゴのレポートを読ませてもらっているが、なかなか、私も専門じゃないから手間取っているよ。」

LNG「大学でやったって言ってなかった?マクスウェル方程式。」

891「やったのと、説明できるのとはまた別よ。専門分野でなければなんとなく単位が取れればオッケーな部分もあるからな。」

LNG「なんと…」

891「で、見せてもらってたのがこれだな。」

 

【レポート】

 

LNG「これくらい、さっと読んでよ。」

891「あのなぁ~…」

LNG「まあ、ぶっちゃけ私はわけわかめだけどね。」

891「とりあえず、まずは記号。∇→ナブラって読む。ざっくり言えば計算の仕方を示してる。」

LNG「ほう…ナブラ…」

 

 

 

891「ナブラ、ね。」

LNG「うん、ナブラでしょ。」

891「で、とってもざっくり言って、

 

『∇・』…なんかの内側から外側に出ていってるやつ(の一部分)を考えてね。

 

『∇×』…なんかの外側をぐるっと回る感じ(の一部分)を考えてね。

 

という記号。イメージは下の通り。詳しい方、ごめんなさいね。」

LNG「うーん、まあいいでしょう。で、EとかBは?」

891「Eは『電場の強度』その辺に、どのくらい強い電気の『場』があるかな?ってやつ。

Bは『磁束密度』っていうが、もっとざっくり言えば『磁場の強さ(磁界)』で、どのくらい強い磁石っぽい力があるかな?ってやつ。」

LNG「あー、まあ、電気と磁気に関係があるよ、って話だもんね。これ→『∂』は?」

891「読み方は『デル』とか『ラウンドディー』とかの、『偏微分』の記号。普通の『微分』で『d』を使う代わりと思えばいい。」

LNG「ふつうの微分もよくわかんないんだけど。」

891「まあ、普通の微分もdxやdtの話をしていけばきりがないからね。とりあえず、

 

『偏微分』ってのは、『いろんな値が変わってしまうものにおいて、一つの値だけが変わるとして、その一瞬の変化を計算してね』

 

というような話。」

LNG「電場や磁場は、まず、xyzみたいな位置が変化しちゃうもんね。」

891「で、分母に『∂t』があるでしょ。これは、『いろいろ変わるけどとりあえず時間の変化を考えて。』という意味になる。」

LNG「ε0は?」

891「ε0は真空の透電率、μ0は真空の透磁率、どちらも、真空と電気、磁気の働きに関わる定数だと思ってもらえばOK。」

LNG「なかなか、すでにしんどいね…」

 

 

 

 

891「で、上に二つ式があるね。

 

①∇・E=0 →この式は、真空じゃないと0じゃなく別な式が右側に入る。本来は「電気の塊みたいなのがあるとどのくらいの電気(の流れのようなもの)が外側に出ちゃうかな?」という式。「∇・」は、外に出ていくのを考える奴だった。ただ、真空ならそれがないので0.

 

②∇・B=0 →この式はいつも0。磁石の力は、必ずNとSが存在する。NからSへ磁力の流れみたいなのが「出て」「入る」から、上の図の「∇・」の図の矢印で考えれば「半分外向き」「半分内向き」になって、合計0、というイメージ。」

 

LNG「お、ちょっとわかるかも。」

891「で、③と④は、EとBがなんとなく入れ替われるような式でしょ?」

LNG「あ、確かに似てるかも。」

891「これも簡単に見ると、

 

③ ∇×E=-Bを時間で偏微分 →「磁界のぐるっと周りには電気の流れが生まれるよ、という意味。マイナスは、右回り左回りを表すものと思っていい。「∇×」はぐるっと周りを考える奴だったでしょ。

 

④ ∇×B=ε0μ0かけて、Eを時間で偏微分→これも真空じゃないと、電場の変化が入るので式がちょっと複雑になる。真空なら気にしないでいい。「電気の流れのぐるっと周りには磁界ができちゃうよ」という意味。

 

③も④も、時間で偏微分してるのがみそかな。電気や磁界が『変化』することで、起きることを示している。逆に言えば変化しないと何も起きない。」

LNG「そらそうだ。」

891「一応、イメージはこんな感じ。」

 

LNG「これまたざっくりした…」

891「もうこれ以上かみ砕くといろんなところから怒られそう。」

LNG「よし、まあ、マクスウェルは電気と磁気の関係をまとめたことがわかった。」

891「で、波動方程式、といきたいが、そこだけでも重たいので、また磁界。」

LNG「ちょっと、磁界にやられてるよ!また次回!」

 

 

 

次回 波動方程式