夜、電車の窓から 外を見ると

家からこぼれた 灯が見える。

 

帰る場所がある時には

オレンジ色の光が 暖かく 

幸せそうに見えるけれど

 

見知らぬ土地で ひとりきりの時には

すーっと 心に隙間風が吹く。

 

あなたのための 明かりではないの

暖かな光に そっぽを向かれた気持ちになる。

 

遠い夜空に輝く 無数の星のように

たくさんあるのに

どれひとつとして 自分のものではないから。

 

人が 自分の居場所を求めるのは

夜の暗闇に 小さな明かりを

灯したいからかもしれない。

毎日 帰る場所があって

暖かい光の中に居るのに

 

当たり前すぎて

暮らしている 場の優しさに 慣れてしまって

 

暖かい 光の中に居るから、

守られている事に 気付くこともない。

 

寒い冬に 鼻の頭が 真っ赤になっても


土砂降りの雨で ずぶぬれになっても


激しい日差しに めまいがしても


あと少しで 帰る場所に 辿り着けるから

もう少しがんばろうと思える。

 

大切な人が

愛しいペットが


楽しいゲームが

おいしいアイスが


お気に入りの クッションが

寝心地のよい布団が 待っている我が家。

ふぅー。

やっと着いた。

 

ただいま。

 

ぱちんと電気をつける。

 

暗闇に ぽっちりと

暖かい オレンジ色の 灯をともした。