2026年2月5日のNew York Timesに「銀価格高騰で世界最大の宝飾品メーカーがプラチナへの切り替えへ」という記事が掲載されていました。
チャームブレスレットで知られる世界最大の宝飾品メーカー・パンドラは、銀価格の変動による大きな影響を受けているとのこと。この記事には、 原材料の価格変動リスクと関税の逆風に今後、どう立ち向かうのかが書かれていました。
最近、オンラインで宝飾店の貴金属類を見ましたが、金価格の上昇もあり、何もかもが高くてびっくりしました。コストコの貴金属類は品質が良く、その割には値段がリーズナブルで有名ですが、以前からあるネックレスなど、かなり値段が上がっていました。
このような状況ならば、当分何も買わないと思います。また、この記事に出てくるパンドラ社は日本でも展開しており、東京などに店舗もあるようです。
以前、金価格の高騰についてブログを書いていますので、こちらも併せてご覧ください。
この記事のポイントは以下の通りです。
・銀価格が記録的な高騰
ここ数カ月、銀価格が大きく変動しています。一時は1オンスあたり約80ドルと、前年の2倍以上の水準まで上昇しました。取引は激しく上下を繰り返し、市場は不安定な状況が続いています。
金価格も上昇していますが、銀ほど急激ではありません。地政学的リスクの高まりから安全資産への需要が高まる中、銀市場は特に投機的な動きが目立っています。この価格高騰は、銀を大量に使用する企業にとって大きな打撃となっています。
・世界最大の宝飾品ブランド・パンドラの苦悩
デンマーク発の宝飾品ブランド「パンドラ」は、年間300トン以上の銀を購入する世界最大級のジュエリーメーカーです。
同社は「手の届くラグジュアリー」を掲げ、比較的手頃な価格で高品質なジュエリーを提供してきました。しかし、主要素材である銀の価格急騰は、そのビジネスモデルを揺るがしています。
CEOのバルビエ氏は、特定の原材料価格に大きく依存することのリスクを指摘しています。銀価格の変動が収益に過大な影響を与えている状況です。
・プラチナメッキ製品への切り替え
こうした背景から、パンドラは新たな戦略を打ち出しました。それは、スターリングシルバー製品の一部を「プラチナメッキ製品」へ切り替えることです。
今後1年で、銀製品の少なくとも半分を金属合金にプラチナメッキを施した製品に変更する計画とされています。
プラチナ自体も高価な貴金属ですが、価格の上昇幅は銀ほど大きくありません。今年のプラチナ価格上昇率は約3%程度にとどまっています。同社独自の合金技術を活用することで、コスト増を大幅に緩和できる見込みです。
・関税と消費減速という二重の逆風
パンドラが直面している課題は、銀価格だけではありません。同社はタイで製造し、米国で多くを販売しています。
そのため、米国の関税措置の影響を大きく受けています。タイやベトナムからの輸入品には約20%の関税が課されており、収益を圧迫しています。
さらに、消費環境も軟調です。特に米国市場では景気減速が見られ、売上の伸びは限定的となっています。直近の売上は微増でしたが、利益は横ばいにとどまり、今後の成長見通しも慎重です。株価も、関税発表以降は大きく下落しています。
・ヘッジ戦略と今後の見通し
パンドラは、2026年に向けて銀価格の大部分をヘッジ(価格固定)しており、当面の影響は抑えられる見通しです。しかし、ヘッジが終了した後も高値が続けば、再び大きな負担となります。
そのため、プラチナメッキへの移行は中長期的なリスク分散策といえます。同社は、素材を変更しても「手頃な価格」と「高品質」を両立できると強調しています。
プラチナは耐久性が高く、日常使いにも適している点をアピールしています。
・原材料依存リスクの教訓
今回の動きは、単なる素材変更にとどまりません。企業が単一の原材料価格に大きく依存するリスクを改めて示しています。
地政学リスク、投資マネーの流入、関税政策など、企業努力ではコントロールできない要因が増えています。
パンドラの対応は、
- 原材料リスクの分散
- サプライチェーン戦略の再構築
- ブランド価値を維持しながらのコスト管理
といった現代企業の課題を象徴しています。
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