2026年6月21日のCNBCに「揺るぎない自信を築くために私が必ず教える「とっておきの秘訣」」という記事が掲載されていました。
心理療法士、臨床ソーシャルワーカーである筆者が、ここぞという時のためにプレッシャーに負けずに本来の力を発揮するための役立つ方法として、「別人格(オルター・エゴ)」になりきるというテクニックを紹介していました。
ビヨンセやアデル、故コービー・ブライアントなども、パフォーマンスのために別人格の方法を活用したと紹介されていました。
私は初めて聞いた方法ですので、大変興味深くこの記事にを読みました。
この記事のポイントは以下の通りです。
ビヨンセが生み出した「サーシャ・フィアース」
ビヨンセはキャリア初期、ステージに立つときに「サーシャ・フィアース」という別人格を使っていました。
緊張が高まる場面になると、その人格になりきることで、姿勢や話し方などが変わり、ステージ上で自信を持って振る舞えるようになったといいます。
ビヨンセは後に、この別人格を卒業したと語っていますが、かつてはパフォーマンスのたびにサーシャ・フィアースが現れていたそうです。
なぜ「別人格」が自信につながるのでしょうか
自己不信にとらわれると、「失敗したらどうしよう」といった考えばかりに意識が向き、目の前の課題に集中しにくくなります。
「緊張しなくていい」と自分に言い聞かせるよりも、別人格になりきるほうが効果的な場合があります。これは、自分自身と不安な思考との間に心理的な距離を作るためです。
この方法は心理学で「セルフ・ディスタンシング(自己距離化)」と呼ばれています。
「セルフ・ディスタンシング」の科学
セルフ・ディスタンシングとは、自分自身を少し離れたところから見るようにする心理的な方法です。
別の人物やキャラクターの視点を借りることで、不安や感情にとらわれすぎず、より冷静に状況を見ることにつながります。
記事では、子どもを対象にした研究も紹介されています。4歳と6歳の子どもたちに退屈な課題を与え、途中でやめて遊べる環境を用意しました。
自分自身に問いかけるグループ、自分の名前を使って問いかけるグループ、そしてバットマンなどの架空のキャラクターになりきって問いかけるグループに分けたところ、好きなキャラクターになりきった子どもたちが最も長く課題を続けました。
自分自身から心理的に距離を置くことで、粘り強さが高まったということです。
特別な場面だけでなく、日常生活でも試すことができる
自分の「別人格」を作る4つのステップ
1.自分がなりたいペルソナを選ぶ
まず、その状況で必要な資質を持つ人物やキャラクターを思い浮かべます。憧れている実在の人物でも、架空のキャラクターでも構いません。
また、自分自身の「最高の状態」を別人格として設定する方法もあります。大切なのは、その場面で必要な性質を持つ人物を選ぶことです。
2.身体的な「アンカー」を作る
別人格と特定のアイテムを結びつける方法もあります。時計や靴、アクセサリー、セーターなど、自分にとってその人格を象徴するものを決めます。
重要なのは、そのアイテムそのものではなく、自分がそこにどんな意味を持たせるかです。重要な場面の前に身につけることで、その人物の思考モードへ切り替えるきっかけにします。
3.別人格の行動を研究する
「この状況なら、私の別人格はどうするだろう?」と考えてみます。その人物ならどのように立ち、どのように話すのかを考え、実際の行動に取り入れてみます。
ただし、誰かの物まねをすることが目的ではありません。この方法の目的は、自分の中にあるものの、自己不信によって隠れてしまっている資質を引き出すことです。
4.まずは小さな場面で練習する
いきなり大きなプレゼンテーションや重要な交渉で試す必要はありません。まずは、チーム内のミーティングなど、比較的プレッシャーの少ない場面から始めます。
練習を重ねることで、自分に合った別人格の作り方や活用方法を見つけやすくなります。
「自信の切り札」として使う
十分な能力や準備があっても、自己不信によって本来の力を発揮できないことがあります。
そんなとき、別人格を活用することで、自分と不安な思考との間に距離を作り、必要な自信を引き出すきっかけにできます。
プレゼンテーション、昇給の交渉、初対面の人への声かけなど、緊張しやすい場面で試せる方法です。自分自身を変えてしまうのではなく、自分の中にすでにある強さや自信を引き出すための「秘密の切り札」として活用することがポイントです。
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