2026年1月30日のAARP(全米退職者協会)に「認知症の夫に怒鳴られます。もううんざりです。ーー配偶者の怒りや混乱に対処する介護者へのアドバイス」という記事が掲載されていました。
認知症の配偶者や家族から突然怒鳴られたり、身に覚えのないことで責められたりするというのは、介護テーマのブログなどでもよく見かけます。
実は、最近認知症の兆候が出てきた父に関して、実家の母からも同じような話を聞いていました。母に対して頻繁に怒鳴るので、母はできるだけ黙っていると聞いたばかりです。これは精神的にかなりきついです。
この記事では、介護者である妻(84歳)の「認知症の配偶者(85歳)の怒りや混乱にどう向き合えばよいのか」という質問に対して、家族療法士・臨床心理士が答える形になっていました。
この記事のポイントは以下の通りです。
・「もううんざり」は当然の感情です
まず最初に大切なことがあります。
怒鳴られてつらい、理不尽に責められて悲しい、こんなはずじゃなかったと思う。
これらはすべて、自然で正当な感情です。
どんなに愛情があっても、根拠なく非難され続ければ心は消耗します。特に、献身的に介護を続けている立場であればなおさらです。
・なぜ怒りや被害妄想が起きるのか
中等度の認知症では、次のような変化が起こりやすいといわれています。
- 物を置いた場所を忘れる
- 混乱が強くなる
- 被害妄想的になる
- 感情のコントロールが難しくなる
- 衝動を抑えられなくなる
以前は穏やかだった人が、急に疑い深くなったり、怒りっぽくなったりすることもあります。
大切なのは、その怒りは「介護者への本心」ではなく、「病気の症状」である可能性が高いということです。
・「一瞬だけ元に戻る」ことがある理由
介護をしていると、ときどき驚くような瞬間があります。
急に昔のように穏やかになり、理性的に話せる時間が訪れることがあります。
すると、「まだ元に戻れるのでは?」「やっぱりわかっているのでは?」と期待してしまいます。
しかし、これは認知症の進行過程でよく見られる波のような現象です。この一時的な明晰さがあるからこそ、介護者は混乱し、より傷ついてしまうことがあります。
現実を受け入れることはつらいですが、「これは病気の影響」と理解することが、心を守る第一歩になります。
・怒鳴られたときの具体的な対応法
完全に状況をなくすことは難しくても、和らげる方法はいくつかあります。
① こちらが静かになる
相手が大声を出したら、こちらは声を落とします。
- 柔らかい口調で話す
- ゆっくりしたテンポで返す
- 穏やかな表情を意識する
感情は伝染します。
相手が自分で落ち着けないなら、こちらの冷静さや落ち着きを“貸してあげる”イメージです。
もちろん簡単ではありませんが、効果的な方法のひとつです。
② 話題をそらす
責められた内容を正そうとすると、口論になります。
たとえば、「歯ブラシを隠しただろう!」と言われたら、「一緒に探しましょう。今日は天気がいいから後で散歩もいいですね」というように、自然に別の方向へ話を広げます。
正しさよりも、安心を優先することがポイントです。
③ いったん距離を取る
どうしても収まらない場合は、短時間その場を離れるのも有効です。認知症では短期記憶が弱くなっているため、数分後には怒りの原因を忘れていることもあります。
自分の心を守るためにも、「少し離れる」は立派な対処法です。
・医師に相談するという選択肢
行動的な工夫で難しい場合は、医療的なサポートもあります。
- 抗うつ薬
- 抗精神病薬(少量使用)
などが検討されることがあります。もちろん、副作用やリスクもあるため、主治医と十分に相談することが大切です。
「薬に頼るのは弱いこと」ではありません。介護者と本人、双方の生活の質を守るための選択肢のひとつです。
・何よりも大切なのは、介護者自身の心
認知症介護は長期戦です。
怒鳴られるたびに傷つき、我慢を重ねると、心が限界を迎えてしまいます。
- 家族や友人に話す
- 介護者のサポートグループを探す
- ケアマネジャーに相談する
「介護者が楽になる方法」を探すことは、わがままではありません。
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