10月11日のWall Street Journalに「子どもへのキャリアアドバイスはかつてないほど難しくなっている」という記事が掲載されていました。
現在、アメリカでは親たちの間で「子どもにどんな進路を勧めればいいのか分からない」という声が急増しているとのこと。その背景には、AIの台頭によって「安定した職業」や「安全な専攻」という概念が大きく揺らいでいる現実があります。この記事では、こうした親たちの不安が描かれていました。
1年前に大学を卒業した我が家の次女の大学入学時は、コンピューターサイエンスを専攻していれば、就職には困らず、将来は安泰というう感じでした。娘はビジネス専攻、生物学副専攻で卒業し、卒業と同時に運よく就職できました。
ところが、大学入学時に将来安泰だと思われていた、コンピューターサイエンス専攻の同級生の多くは仕事を見つけることができていないとのことです。
このようにAIの登場により、就職環境が大きく変わっています。今後、AIの普及とともに、さらに状況は変わると思われますし、その変化を予想するのは難しいと思います。
以前のブログにも、AIが普及する中でのバイリンガル教育について個人的な意見を述べていますので、併せてご覧ください。
AIの進化が止まらない今、「何を学ぶか」よりも「どう学び、どう考えるか」が重要だと思います。これからのキャリア教育に必要な視点や進路指導は以下の点を重視することが大事ではないかと思います。
・ 批判的思考 — 変化に対応できる思考の柔軟さ
・ 対人スキル — コミュニケーション力や共感力
・ 実践的経験 — 現場で学ぶ力とネットワーク形成
この記事のポイントは以下の通りです。
・「正解」が消えたキャリアの世界
これまで多くの親は、子どもに「良い成績を取り、大学へ行き、安定した職を得る」という道を勧めてきました。しかし、AIによってホワイトカラーの仕事が再定義されつつある今、その“王道ルート”が通用しないかもしれないと感じる親が増えています。
ある母親は、以前は娘に「楽しみながら勉強しなさい」とだけ伝えていましたが、今では「人脈を築き、複数の専門分野を身につけるべき」と助言するようになったといいます。
彼女の言葉に、多くの親が共感するのではないでしょうか。私たちは「どのスキルを教えれば、子どもがAI時代に生き残れるのか」分からないまま手探りしています。
・AI時代に求められるのは「考える力」
大学進学カウンセラーや教育専門家の間では、「テクノロジーを学ぶだけでは不十分」という意見が広がっています。むしろ、AIでは代替できない批判的思考力や創造的な問題解決能力を育むことこそが重要だとされています。
専門家の一人は、「哲学や美術史など、リベラルアーツ専攻の学生が企業で再評価されている」と指摘していました。AIが決まりきった仕事の流れをこなす時代だからこそ、「人間らしく考える力」が価値を持つという視点を示しています。
・「ネットワーク」と「実践経験」が未来を拓く
AIによる自動化が進む一方で、現場での経験や人間関係の重要性はむしろ増しています。
この記事では、大学在学中にパートタイムやインターンシップなどの実務経験を積むことが、今後のキャリア形成において欠かせないと強調しています。
単に学位を取るだけではなく、自分の興味・関心を軸にした実践の場を持つことが、AI時代における差別化要因になります。
・親ができるのは「導くこと」ではなく「支えること」
記事に登場する親たちは、AIを脅威と捉えつつも、子どもたちが新しい技術を「遊びや創作」に活かす様子に希望を見出していました。例えば、AIを使って太陽系モデルを作ったり、ストーリー生成アプリで物語を創作したりといった事例です。
こうした取り組みは、「AIを使いこなす力」だけでなく、「新しいツールを前向きに受け入れる姿勢」を育てます。
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