酔いと読書と好き勝手 -3ページ目

酔いと読書と好き勝手

酒好き、本好き、遊び好き。

プライベートの好き勝手を書いていこうと思います。

月一冊はビジネス本を読むぞと決めて最初は読めなかったんだが、最近は読めるようになって来た。というか今回はこっちの方が多いことになっている。わ〜、探偵小説が読みたいぞ‼︎ って、自分次第か。てなことで、今回の三冊。

 

「それ、根拠あるの? と言わせないデータ・統計分析ができる本」 柏木吉基

元々は数字を学ぼうとして以前の「数学女子」などを読んでいたわけだが、今回はそこから一歩踏み出して選んでみた次第。数学女子がアパレルを舞台にしていたのと違い、こちらは商社で扱っている掃除機を国内では売り上げが落ち込んでいることからアジア新興国への新規参入を検討するところから始まる。その上で事業計画をプレゼンするというわけだが、そこから数字の話が始まる。というか、この数字関係の本を読み始めて思ったけど、統計なんだよね。結果的には。その上でデータ分析を行うわけだ。前回の数学女子と違い、あちらは受け身から始まっていたけど、こちらは攻めの印象。そりゃ計画案を出すわけだから当たり前だけど仮設アプローチやらなんやらとプレゼンに関しても書かれており、結構勉強になりました。ただ、数学女子は会話文がメインでスッスと読めたのと比べ、こちらはしっかりと説明が入り、レベルが上がっていて私にはまだ荷が重すぎるのではと思ってしまった(それでも、わかりやすくは説明してくれているんだけど)。これを自分で実行できるかというとまだ先が長いような気がする。もっと読んで勉強しよう。

 

「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」 マーカス・バッキンガム ドナルド・O・クリフトン

仕事のところで紹介されていたのをみて興味があったので手にした本。ストレングスファインダーというのを使って自分の強みを見つけ、それがどのようなところで活かされるかが書かれている。ちなみに私の強みは「個別化」「内省」「学習欲」「責任感」「コミュニケーション」だった。学習欲、あるのかな〜。私高卒だけど。

 

「半七捕物帳(一)」 岡本綺堂

捕物帳の元祖、岡本綺堂の半七捕物帳。14編が収録された短編集で、この中の「奥女中」が今回の読書会のデキストでした。この本、高校時代にすでに読んでいたのだけど、ほとんど記憶に残っていない。最初の「お文の魂」だけはラストに半七のことを「彼は江戸時代に於ける隠れたシャアロック・ホームズであった」と書かれてあったことを覚えていて、うっすらと印象に残っていたのだが、他はもうサッパリと抜け落ちてしまっていた。だが、そのおかげで読書も楽しくできた。今回読み返して思ったことは、高校時代の私は本格原理主義でこの物語の深みに気付けるほど人生経験を積んでいなかったのでは、ということだった。また、探偵小説興味も推理とロジックとトリックが大きなものを好んでいたのも原因であると感じられる。けど、実際にはこの物語にはちゃんと謎があり、解説もある。そしてほとんどの短編にはラスト間際に一捻りが加えられていることが今回読んでみてわかった。もう一度ちゃんと読み返した方が良さそうだなと思った次第です。

 

以上、今回の三冊でした。

ここ最近は安定して本を読めているなと感じる毎日です。数字がハクション大魔王なみに弱い私はできるだけ入門編に近い形での本を読もうとしている状態です。てなことで今回の三冊。

「虎の首」 ポール・アルテ

がっつり探偵小説を最近読めてなくて飢餓状態だったので読みましたよ。ツイスト博士シリーズ。このシリーズは不可能趣味満載の小説。ニヤニヤしながら読書を楽しめました。

名探偵役のツイスト博士が旅行から帰ってきた時、持っていたカバンがいつの間にかすり替わり、中にはバラバラ死体の遺体の足が。

もう発端から吸い寄せられます。バラバラ死体の謎はここからさらに深まり、どう収束をつけるんだろうかと読み進めると、そこはさすがフランスのディクスン・カー、見事に仕上げてくれます。ただ、ラストが賛否分かれるだろうな〜、と。ノンシリーズの「赤い霧」に近い味わいで、共にフランス人らしいオチの小説とも言えるかも。

 

「数学女子智香が教える こうやって数字を使えば、仕事はもっとうまくいきます。」 深沢真太郎

前回読んだ、数学女子智香の二冊目。今回も非常にわかりやすく、また楽しめて読めた。探偵小説中年としては智香は論理型名探偵役にも思えて面白かった。結論ファーストでその後に説明をし、その説明を聞くと「ああ、そんなことだったんだ」と感じるのなんてモロ探偵小説だもんね。その中でも興味深かったのは、智香が働くアパレルメーカーの会社の出している表参道店にライバル会社が出店することになり、顧客流出を食い止めるためクーポンを出そうとするくだりで、クーポンを使用しなかった場合の売上目標をもとに、クーポンを行った時の売上目標、そしてそのデッドラインを求めるところ。非常に勉強になりました。あと、わかりやすくするために物語に添える形で数字を教えてくれるので理解しやすいし、この作者、小説もある程度描けるんじゃないかと思った。ストーリーの立て方がうまいんだよな。

 

「ハローサマー・グッドバイ」 M・コーニイ

ずっと前にブックカフェのマスターからお薦めされて購入したもので、SFの傑作と称されているのは知っていたのに読めていなかった本。残暑の激しい今の季節にも合うしと手に取り読み始めた。

傑作の名に恥じない名作でした。地球外の惑星を舞台に繰り広げられる思春期の男女の恋愛を軸に進む物語だが、そこには戦争の雲がのしかかる。そして、そこには激しめの格差社会があり、SFとしてだけではなく恋愛小説としてもなかなかに面白い小説だった。ていうか個人的には恋愛小説として読めた。

主人公だけではなく、サブキャラクターも非常に魅力的で細部もしっかりと書かれており、構成をまとめ上げた上で書き上げたんだろうなと感じました。でないとあのラストやそこに至る伏線は書けないだろうと。

いや、薦められて手にした本は早めに読まないといけませんな、と反省。

 

以上、今回の三冊でした。

今回の3冊

 

昔は夏というと、テレビでは怪奇物やお化け、心霊者なんかをよくやっていたけど最近はどうなんでしょう? てなことを連ねがら今回の3冊です。

 

「瓶詰の地獄」 夢野久作

角川から出ている文庫で購入、7編からなる短編小説集です。そのうちの表題作にもなっている「瓶詰の地獄」が前回の読書会のテキストでした。短編というか、掌編と言っても良い短さですが、これがなかなかに曲者です。内容は3本のビール瓶の中に入っている手記の体裁をとっているのですが、読み込んでみると一筋縄ではいかない。 主人公は船が難破したために無人島で暮らすことになった兄妹。その兄の書いた手記で、一般にはその構成の見事さが評価されている。私がこれを最初に読んだのは高校時代の創元推理文庫、「夢野久作集」だった。当時は、おお、すごいな。ぐらいの感想だったが、今回読み直すと、うん? と思う描写がある。第1に村役場から手記の入ったビール瓶を海洋研究所に何かの研究の資料にと送られる冒頭だが、ビール瓶には封蝋がされている状態で、中身を取り出されていないことがわかる。第2に漂着した兄妹が手にしていたものに「小さな新約聖書が一冊」という記述がある。が、後半になると「詩篇の処を開いてあった」という箇所があるのだが、この詩篇というのは旧約聖書の中にあるもので、また、新約と旧約は対応するものであるから収録されている場合もあるのだが、それでも、詩篇の処を開いてあった、という描写に統合性を感じにくい。第3に「神様の足凳(あしだい)」というところに長い棒に「いつも何かしら、青い木の葉を吊るして」という箇所があるにもかかわらず、同じ手記の後半には「結び付けてあるヤシの枯れ葉」となっている。第4に文体。11歳の私の書く文章は非常に硬質で読みづらく感じるが、これは手にしていた「新約聖書」から文章を学んだためであり、文語訳の漢字の使い方が共通していることが証左であると言われているが、漢字の扱い方はそうかもしれないが、文章としてはどうなんだろうと感じる。聖書においてはそこまで人の感情を記している箇所があっただろうか? そして、その手本となるべき文章は、という疑問が湧く。個人的な感想としては、手記が本物であるとして、この内容は手記の作者、私の妄想も含まれており、そこに地獄を感じる小説であったのではないかと。妹の兄に対する対応もそうすると勝手に私が感じていたものとガラッと変わっていく。いろいろと深読みできる小説なのです。 他の納められた短編では「死後の恋」が良かった。

 

「エドウィン・マルハウス」 S・ミルハウザー

これは今回の読書会のテキスト。11歳の少年が隣人の同級生、エドウィン・マルハウスの11年の生涯を描く伝記本という体裁をとって書かれている。マルハウスは「まんが」という1編の小説を残してこの世を去ってしまうのだが、それまでの間を隣人の少年ジェフリー・カートライトが詳細に描く。 一見、このエドウィンが主役のように思えるのだが、読んでいると実は違うことがわかる。自分は脇役、あくまでエドウィンの記述者という役割を全うしている、という感じを記述をしているのだが、そこには個人的感想、マルハウス少年の私生活への介入などが多々見られる。そしてマルハウスの初恋の相手や友人との付き合いに関しても介入は及んでいる。ざっと遠目からこの本を読んだ時は少年らしい見たものへの感想や、感受性の描写、羅列的に描かれる文体はいかにも少年が書いていそうに思える。けれど、これが後半になるとガラッと変わる。ここからはラストに関わって感想を書きます。 マルハウス少年が書いた「まんが」には一種の予言的な意味合いがある。それはエラリー・クイーンの「Yの悲劇」のテキストのように。そして、そこに登場するキャラクターは実際の人物を投影している。それゆえ影の存在で主人公を執拗に追い回すキャラクターがカートライトを彷彿させているし、マルハウス自身もこれを認めている。「薔薇の名前」が流行っていた時の記号論のテクストとして読み始めれば様々な取りようができてくる小説。それゆえにこそ、カートライトはマルハウスの生涯を決める存在でもあったのだろう。マルハウス自身がそうは思わなくとも、カートライト描くところの伝記としてのマルハウスの生涯はこうであらねばならないとして、冗談を冗談として終わらせず、マルハウスの生涯を終わらせたのだと思う。

 

「数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。」 深沢真太郎

私は頭が悪い、特に数字は大の苦手、ハクション大魔王と同じくらい大嫌いでもある。けれども仕事をしていく上ではやはりある程度は知っておかないといけないし、理解も必要だと思い一念発起、学んでみようと手にした本です。 結論、買ってよかった。面白かったし、ためになる。数字を使える使えないは別にしても意識を高めることには非常に役に立った。これは続編も出ているのですが、現在その続編を読書中です。 平均とよく言うけど、その平均にはばらつきがどのようにあるか、前年比にちゃんと意味はあるか、これが売れるとあれも売れる、その相関関係を数字に出すと、など、私のような人間にもわかりやすく教えてくれる。本当にオススメ。

 

以上、今回の三冊でした。