製薬会社に勤めていた頃、顔半分が黒いアザで覆われた同僚がいた。
初対面の時は、正直言って驚いた。
ブラックジャックみたい、と。
それから数年後。
取引先で会議をしていたら、先方の担当者から尋ねられた。
「御社の研究開発部にいらっしゃる…えっと…お名前を忘れてしまったけど、大きな黒いアザの男性に先日メールをお送りしたのですが・・・」
「誰ですか?」
「ほら、顔に大きなアザのある・・・」
「えーっと・・・誰だろ?」
(大声で)「あのアザのある人ですよ?! 研究開発部の!!」
「弊社の人間ですか?」
(さらに大声で)「そうですよ!!!」
「いや・・・ちょっと、わかりかねます・・・」
先方はかなりイラついていたが、私も結構キレていた。
だって、私の会社にホンマにそんな人がいたか思い出されへんかったから。
会議のあと、社に戻った私は研究開発部に寄り、全員の顔を見渡して大声をあげた。
「あああ!!!いてたわ!!!」
初対面の時にはあんなに驚いた同僚の顔のアザを、私は彼と仕事をするにつれ、すっかり忘れていたのだ。私にとって彼は、「顔に大きな黒いアザを持つ男性」ではなくなって、「いつもダジャレばっかり言ってるけど、いざという時に頼りになる同僚」でしかなかったのだ。
「誰ですか?」
「ほら、顔に大きなアザのある・・・」
「えーっと・・・誰だろ?」
(大声で)「あのアザのある人ですよ?! 研究開発部の!!」
「弊社の人間ですか?」
(さらに大声で)「そうですよ!!!」
「いや・・・ちょっと、わかりかねます・・・」
先方はかなりイラついていたが、私も結構キレていた。
だって、私の会社にホンマにそんな人がいたか思い出されへんかったから。
会議のあと、社に戻った私は研究開発部に寄り、全員の顔を見渡して大声をあげた。
「あああ!!!いてたわ!!!」
初対面の時にはあんなに驚いた同僚の顔のアザを、私は彼と仕事をするにつれ、すっかり忘れていたのだ。私にとって彼は、「顔に大きな黒いアザを持つ男性」ではなくなって、「いつもダジャレばっかり言ってるけど、いざという時に頼りになる同僚」でしかなかったのだ。
クララは、斜視だ。
それが今では、すっかり忘れている。
お散歩に行くと、「この子、斜視だね」と必ず声を掛けられるほどのレベルなのだが、それですら「え?なんのこと??」と返事が遅れるくらいに忘れきっている。
もうバッチリ目が合っている気すらしている。
もちろん全く攻撃性はないのだが、やはりどんなに犬好きな人でも、少し身構えて「やっぱりここまで大きい犬に吠えられるとこわいなあ」と言う。でも、クララが斜視であるために、視線が合うことはない。超大型犬にバッチリ睨まれて吠えられるのと、クララに吠えられるのとでは、感じる脅威や危険はグッと少ないのではないだろうか。
そして、そのうちクララは「なんや、ええ人なんか?」と落ち着きを取り戻し、私の後ろから申し訳なさそうに出てきては、「吠えてごめんなあ。撫でて~」と挨拶するのだ。
体重が少し増えたクララに
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【2019年6月追記: 私はドッグライフセイビングと、根本的な動物保護活動の信念と、動物と人間に対する姿勢の相違により、2017年10月に全ての関係を断っています】
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