ロジャー君とお散歩をしていると、時折、穴があったら入りたいくらい恥ずかしいことがある。
それは、お散歩時間がJK(女子高生)の下校時間とかち合った時に起こる。
私がロジャー君と歩いていると、前から歩いてくる下校途中のJK集団が、もれなく私(のほう)を指差して黄色い声をあげる。
「ちょっと、見て~!めちゃくちゃ足が長くてウケるんだけど~!」
「あんなにくびれたウエスト、見たことな~い!」
「スタイル良すぎて、マジヤバたん!」
わかってる。わかってるよ。
これは、全部ロジャー君のこと。
誰が見ても、足が長くて、ウエストがくびれて、スタイルがめっちゃいいロジャー君やから、JKが騒ぐのも仕方ない。
でも、私が気になるのは、私の前方を歩いている営業マンや宅配便のお兄ちゃんたち。
彼らは、後方に私とロジャー君が歩いていることを知らない。
急に騒ぎ出したJKの反応を見て、きっと大きな勘違いをしているに違いない。
「俺の後ろに、めっちゃええ女が歩いてるんや!」
そして、次にこう思う。
「見たい!見たい!振り向きたい!
振り向いて、JKが大騒ぎするほどのナイスバディを眺めたい!」
私は祈る。
振り向くなよ。絶対、振り向いたらあかんで。
だが、男性はエロ好奇心の前ではあまりにも無力だ。
彼らは、不意を装いながら、うしろを振り向く。
期待に満ちた目で、お目当ての場所に立つ私を見て、眉間にしわを寄せる。
そのあと、ロジャー君の存在に気付き、瞬時に全てを理解する。
そして皆、とっても残念そうな顔で、再び前を向いて歩き出す。
「なんや、犬か」
だから、振り向いたらあかんって言ったやんか!
私だって、ずんぐりむっくり、精一杯生きてるねん!
【2019年6月追記: 私はドッグライフセイビングと、根本的な動物保護活動の信念と、動物と人間に対する姿勢の相違により、2017年10月に全ての関係を断っています】
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