幸せに辿りつきたい -12ページ目

幸せに辿りつきたい

道に迷いっぱなしの自分…
人生最後の日、
まぁ幸せだったなって言えてることを願って…

   

調停委員が相手方に行っている間はまた長い待ち時間となる。

 

(代理人) 今日も調停は終わりそうもないな…

相手がこちらの条件に乗るとは思い難いし。

 

(自分) こちらの主張する額から財産分与を引くと百万弱。これが慰謝料ってことになるんですよね。

納得する額ではない気がします。

 

(代理人)もね、申し訳ないけど慰謝料としたらこんなものですよ。

慰謝料は、結果として結婚生活を破綻させたから支払うわけで、あなたの苦しみがどれだけか、で払うものじゃない。

ダンナのやったことが離婚のきっかけとなった。で、それは「女遊び」の範疇。

とすると、普通に恋愛的な不貞でよその一定の女性と一年交際したっていうケースでも200万いくかどうかってとこです。

これはもう慰謝料が現状それくらいにとどまっているところから来てるんです。

 

あなたが自分の苦痛につけた値段と、裁判上のいわゆる相場観が食い違っているってわけですよ。

 

 

というところで、思いがけない早さで調停委員が戻ってきた。

 

(調停委員) まず、婚姻費用は合意できました。

そして慰謝料としての解決金含めての財産分与は、申立人主張の額にちょっと足りないですが、その額なら払います、と言われました。

そしてその額は娘さん夫婦への請求も放棄する形での額となります。

 

 

あまりの流れの早さに目が回る思い。

 

数字に追いついていくこと、自分の考えをまとめること&話すこと、そして総合的な自分の判断で結果が出てしまうこと… 全てに必死。

こんな風にあれよあれよと決まっていくんだ…

私が大切にしてきた約10年の結婚生活がこの話合いで押し流されていく…

 

あ、いけない、いけない。

感情に流されてる場合じゃない!

 

ん? あれ??

相手方はこちらの提示した額を下回りはしたものの、娘夫婦への請求放棄と私名義の保険は温存できる形で提示してきたということ…か。

 

(代理人) この額だと代理人限りでは悪くはないと思いますが、今日、申立人は決断できる状況にないので、次もう一回調停をお願いできますか?

さっきの待機中の話ではどうも金額的に即決しかねる、という態度であるので、もうちょっと検討する問題があるのかと。

 

(調停委員) 分かりました。その話、お伝えしておきます。

そして提示額に届かないなら、今日は婚姻費用だけの成立で、もう一回持越しってことでよろしいでしょうかね。

 

(代理人) あなたとしてはそれでいい?提示額に届かなければ今日はお開きにするしかない。

あなたの意向を無視して妥結はできないから。

逆に言えば提示額を相手が飲めば今日終わるよ。それはよろしいの?やり直しはきかないよ。

 

(自分) …あ、はい。

 

(代理人) 本当に良いの?

 

(自分) はい!

 

(調停委員) じゃもう一度お待ちください。

 

 

 

調停委員が相手方に向かったあと、代理人はすぐに口を開いた。

 

(代理人) 例えば、慰謝料も分与も同じ”数字”なので、結局トータルでどれくらい得なのかっていう話ですよ。

最初に言ったように退職金から転化した財産は、裁判でしっかり争うとなると、今より下がります。

よく考えてほしいのは、この保険は元々自分で掛けたんじゃなくて、婚姻年数が短いため貢献度が低いとみなされる退職金から払われた訳です。これが裁判できっちり分けたら減るんです。

だけど今の相手方の言ってきた内容だと、これをそのまま持っていられる。

これって、ある意味調停の”なあなあ”な処理をすることによって、本来共有財産とみなされない分もカウントされて分与されるってこと。

数字は当初の額より確かに減って見えるからクローズアップされちゃうんだけど、その裏では娘夫婦への請求放棄と合わせて、裁判で厳密に処理した場合と比べて数百万単位で得することになる計算ですよ。

あなたが納得できないでいる慰謝料も、裁判に持って行ったところで、たかだか数十万上乗せするために時間と労力をかけても、逆に財産は減ってしまう、ということです。

トータルで考えて、こういう目に見えない利益を感じ取ってほしいんですよ。

だから、やっぱりこれは私は悪くない話だと信じてます。

 

…まぁちょっと気が早いね。向こうがいいとはまだ言ってない。

ただ、ここまで譲歩してきてるから、もし合意しないとなれば「じゃここから裁判やりますか?」という所で考えてもらうことはできるかもしれないね。

 

代理人に掛ける苦労は半端ないのかも… ブドウ糖欠乏状態の脳で、頭の悪い私は考えていた。

が、思いもかけない方向に動き出した事は、期待と緊張の入り混じる複雑な思いだった。


    つづきます