幸せに辿りつきたい -10ページ目

幸せに辿りつきたい

道に迷いっぱなしの自分…
人生最後の日、
まぁ幸せだったなって言えてることを願って…

   

「では調停条項をこれから申し上げます。」

 

裁判官の声で調停の合意事項の確認が始まった。

これまでに合意してきた事柄、ややこしい金額や支払方法など1円単位まで細かく記載された文書を読み上げていく。

内容をよく聞く時間もなく、あれよあれよと進み、「この調停条項でよろしいでしょうか?」と確認される。

双方の代理人が「はい、いいですね。」と答える。

 

「それでは離婚が成立しました。以上です。」

 

この間、約8分。

たった1時間前、にっちもさっちもいかない調停の流れに、諦めて次回の事を考えていたなんて信じられないほどの展開の早さ。

総勢10人ほどが早くも席を立ち、私もさっき置いたばかりの荷物を慌てて持って部屋を出る。

 

この瞬間に私の10年は全て終わった。。。

 

 

二人の調停委員から、

「これから頑張ってくださいね」と、一言ずつ声をかけられる。

丁寧にお礼を言い、お辞儀をして通路で別れた。

 

出口までの長い廊下を代理人と話しながら歩いた。

 

「今までたくさんの調停委員と話してきたけど、今回のお二人は一番だったかも知れない。

自分の意見を押し付けることもなく、何より最初から最後まで誠意をもって対応してくれましたよね。」

 

「やっぱりそうですか。色々な方がいらっしゃるってネットなどにも書かれてたので、どうなるのかと最初は心配でした。でも終わって振り返ってみても、とても気持ちを汲んで頂けた気がします。」

 

このブログの中では細かいやり取りや気持ちの動きなどは、ほんの一部しか載せられなかったが、私が感極まって涙を流してしまった時には、感情のこもった相槌を打ち同調してくれたり、ここは言いたいと思う事には「その部分は相手方にお伝えしましょうね」と気持ちをすくいあげてくれてきた。

 

 調停委員という立場上、どちらかに肩入れする事は有り得ないのかも知れないが、よく言われたのが、「調停委員もやはり人間」、ということ。

どう見ても原因は夫側にあり、離婚後の生活の苦しさを味わう事になるのは私の側であるのは明白で、気の毒に思ってくれたのかもしれない。

頑なに、出した条件を拒否し続けた夫へ、説得を続けてくれての結果が出たのだと私は思っている。

 

受け入れ難い現実を、こうして周りの人達に本当に支えてもらってここまでやってこられた…

そう思うと涙がこぼれそうになった。

 

これが最後となる家裁玄関口での立ち話も、感慨深いとさえ思えてくる。

 

「何も分からない身で、最後まで悪あがきしていた気もします。すみませんでした。」

 

「それは当たり前で仕方のない事です。」

 

「でも先生のおかげで本当に助かりました。」

 

「それだけ言ってもらえればうれしいです。これからの人生は楽しんでくださいね。」

 

今回の調停開始時には想像もしていなかった急転直下の結果となり、結成10ヶ月ほどの「闘いのコンビ」は解消となった。