仙台・小田原の旅館「千登勢屋」閉館 創業113年、コロナで前倒し | 人生の水先案内人

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 創業113年を数える仙台市青葉区小田原6丁目の老舗旅館「千登勢屋」が31日、閉館する。

 

後継者がなく、来年の営業終了を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で前倒しすることになった。

 

戦後「旅篭町」と呼ばれた地域の風情を残す建物は当面残す。


 千登勢屋は1907(明治40)年、運営会社千登勢の森谷和之社長(73)の祖父が始めた。

 

創業以来の木造2階の建物は改装を重ねたものの、基本的構造は変わっていない。

 

宮城県沖地震や東日本大震災でも大きな被害はなく、

 

13の客室に年間約5000人の客を迎えてきた。


 ユースホステルに登録しているため、海外からの観光客は多い時で全体の3割に上った。

 

京都府で料理学校の講師だった妻の環子さん(72)が手掛ける家庭料理も好評だった。


 森谷さんは当初、東京五輪・パラリンピック前後の観光需要を見込み、

 

21年まで営業を続けるつもりだった。

 

今年に入り新型コロナの感染拡大で状況は一変。

 

3~5月のキャンセルが相次ぎ、売り上げは前年の2割に落ち込んだ。


 森谷さんは「体力のあるうちが潮時だ。

 

予約が入る前に閉館することで迷惑も掛からない」と思い直し、

 

閉館を決断した。来年中には運営会社も解散させる。


 周辺の小田原地区は明治時代、花街として発展し、

 

戦後は旅館街へと姿を変えたものの、今ではほとんどが廃業した。

 

千登勢屋は開館当時の窓の柵や階段の手すりが残り、往時を伝える。

 

2階部分をせり出した「はね出し」の構造は珍しく、建築の専門家が見学に訪れるという。


 旅館には市内で開かれる「みちのくYOSAKOIまつり」に出場するため、

 

約20年間利用し続ける北海道のチームから贈られた色紙と賞状が飾られている。

 

森谷さんは「お客さまには感謝しかない。

 

良い決断だったと思ってもらえたらありがたい」と話した。