経営再建中の東芝が傘下の原子力子会社、米ウエスチングハウス(WH)について米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を選択肢の一つとして検討していることが24日分かった。
経営危機の最大の原因である米原発事業について幅広い改革案を協議しており、早期の再建をめざす。
ただ経営陣らの間では意見の相違もあり今後議論を深める見通しだ。
東芝はWHによる米原子力建設サービス会社の買収を主因に、原子力事業で7125億円の減損損失を計上する見通し。稼ぎ頭である半導体を分社化し株式を売却する方針で、財務改善を急いでいる。
半導体の売却益をWHを含む原発事業の再建に充てる案がある一方で、破産法の適用申請も選択肢の一つとして排除せず検討する。
連邦破産法11条は経営再建型の破綻手続きを定めている。
裁判所の監督のもと、従来の経営陣が債権者の同意や協力を得て、事業を続けながら迅速な再建をめざす仕組み。
裁判所に申請し受理されれば、事業を継続でき、債務者となる企業が経営再建に専念しやすい。
リーマン・ショック後の2009年にゼネラル・モーターズ(GM)と旧クライスラーが相次ぎ連邦破産法11条の適用を申請後、米政府の傘下入りなどを経て再生した。
ただ経営陣らの間で適用申請には慎重な見方もあり、実際に申請に踏み切るかは不透明だ。
東芝は14日、綱川智社長が記者会見し、海外事業について「戦略的選択肢を検討する」と述べていた。
原子炉の新設は機器供給などに特化し、土木工事を含む案件は新規受注を停止する方針を示した。
米国と中国で建設中の8基のプロジェクトは、コストを減らし事業リスクを抑えながら継続すると表明している。
WHの米国のプロジェクトは当初想定より遅れている。
東芝はWHを通じて米電力大手や地元政府などと2カ所で工期を延長する協議も始めた。
スケジュールをより現実的な形に改めることで完成を目指す意向だ。
WHのホセ・エメテリオ・グティエレス暫定社長は日本経済新聞の取材に、連邦破産法11条の適用を申請する可能性について「議論の対象になっていない」と答えていた。