雨期の終盤を迎えるインドの株価が、天候にらみとなっている。
平年並みの降雨量を確保できるかを見極めたいとの投資家が多く、主要株価指数SENSEXは高値圏でもみ合っている。
雨がどれだけ降るかが農産物の収穫と物価を左右し、金融緩和のタイミングにも影響を及ぼすためだ。
SENSEXは8日に1年5カ月ぶりに心理的節目の2万9000を超え、15年1月に付けた過去最高値まであと2%に迫ったが、その後足踏みが続いている。
インドの雨期はおおよそ6月から9月までで、今年はこれまでのところ平年並みの雨が降っている。
農産物の収穫は順調にきているようだが、雨期の最終盤まで予断を許さない。
十分な降雨量を確保したまま雨期を終えれば、農産物は問題なく収穫でき、国内物価を抑えられる。インドの消費者物価指数(CPI)の構成をみると、野菜や果物、香辛料などを含めた食品・飲料の割合が5割を占める。
不作となった場合、農産品の値上がりがCPIを押し上げ、インド準備銀行(中央銀行)の利下げを阻む要因になりかねない。
12日発表の8月のCPIの前年同月に比べた上昇率は5.05%と7月から鈍化した。
野菜の指数が1.02%上昇にとどまったのが一因だ。
このままインフレ率が5%前後で安定すれば、準備銀は利下げに踏み切りやすくなる。
実際、8月のCPI発表後に株式市場では年内の利下げ観測が強まった。
とはいえ、雨期が終わるまでは「判断を急ぐ必要はなく、準備銀はもう少し様子をみるだろう」との見方も多い。
準備銀の前総裁ラグラム・ラジャン氏は過去の政策決定会合後の声明文で、政策判断について「農産物価格の動向を見極める」との姿勢を繰り返し明記してきた。
ウルジット・パテル新総裁の下で開く次回10月4日の会合での判断も、農産物価格の動向が影響を与える可能性は高い。
乗用車の販売が堅調などインドの足元の経済環境は悪くない。政府に
乗用車の販売が堅調などインドの足元の経済環境は悪くない。
政府による経済改革が順調に進展している面もある。
インド株式相場はアジア市場のなかでは「過去最高値の更新に最も近い」との期待が高く、節目突破の条件は整いつつある。
雨期の最終盤である9月中に十分な降雨量を確保できるかは、株価の最高値更新への残された条件ともいえそうだ。
