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米株式相場が好調さを保っている。
14日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が前日比134ドル高の1万8506ドルで終え、3日続けて過去最高値を更新した。
JPモルガン・チェースが発表した四半期決算が市場予想を上回ったのを受け、金融株が相場をけん引した。
大型の新規株式公開(IPO)も米市場をもり立てたが、発行市場の低迷は明らかで相場押し上げの起爆剤となるかは不透明だ。
この日の話題を集めたのは日米同時上場を迎えた対話アプリのLINEだ。
日米市場での資金調達額は10億ドルを超え、IT(情報技術)企業としては今年最大の案件となる。
一足先に株式を公開した米市場では米預託証券(ADR)の価格は41.58ドルで終え、公開価格(32.84ドル)を27%上回った。
14日付でLINE株の調査を始めたと発表した米証券会社ジェフリーズのアナリスト、アトゥル・ゴヤール氏は投資判断を「買い」で推奨し、目標株価を公開価格を27%上回る4200円に設定した。
足元の為替レートでドルに換算すると約40ドルで、LINEのADRは上場初日からその目標を突破する人気ぶりだった。
久しぶりの大型IPOに湧いたものの、株式の発行市場を巡る環境は厳しい。
調査会社ディールロジックによると、世界でLINEのようなIT企業がIPOで調達した資金は2016年が現時点までで49億8600万ドルと前年同期よりも68%少ない。
13年以来の低さで、年後半も同じペースとなれば09年(84億2100万ドル)以来の低水準となる。
全業種でみても16年のIPOは今のところ前年の半分程度にとどまるという。
14日の相場をけん引したJPモルガンの決算をみてもIPO低迷の影響がうかがえる。
4~6月期は売上高にあたる純営業収益が前年同期比3%増の252億1400万ドルと市場予想に反して増収となった。
融資の伸びや好調な債券トレーディング収入が業績を押し上げたが、投資銀行業務は14億9200万ドルと15%の減収だった。
JPモルガンのマリアン・レイク最高財務責任者(CFO)は決算説明会で「世界の株式発行市場は1~3月期の弱さから改善したが、強かった前年同期には届かなかった」と指摘。
そのうえで、4~6月期の株式の引受手数料が37%落ち込んだと明らかにし、投資銀行業務を圧迫する要因になったとの認識を示した。
さらに追い打ちをかけるのが英国の欧州連合(EU)離脱の影響だ。ゴールドマン・サックスは過去最高値を超えた米株式相場は年末にかけて下落していくと予想している。
その要因の1つが金融株の苦戦で「四半期決算はおおむね市場予想に沿った結果となるだろうが、見通しは英EU離脱に伴う不確実性で圧倒的なマイナスとなるだろう」(デービッド・コスティン氏)と読む。
「(英EU離脱で)長期にわたる不確実性が形成されてしまった。そのため、皆さんが知りたいと思うことに明確に答えられるとは考えていない」。
JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は事業計画への影響は小さいとしつつも警戒をあらわにした。
ボラティリティー(変動率)の高まりは発行市場においても追い風とはならず、LINE上場で盛り上がりをみせるIPO市場が金融機関の業績に恩恵をもたらすには時間がかかりそうだ。