米ベライゾン・コミュニケーションズは来週、米ヤフーのウェブ事業に対し買収案を提示する計画だ。
また交渉を有利に進めるため、米ヤフーが保有する日本のヤフー株の取得にも前向きの姿勢を示している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
別の1人の関係者によると、米アルファベットの主力部門グーグルもヤフー中核事業への買収案提示を検討している。
買収検討に関する情報は部外秘だとして一部関係者が匿名で明らかにしたところによれば、買い手候補だったAT&Tやコムキャストは買収案の提示を見送ることを決めた。
さらに別の関係者によると、2008年にヤフーに買収を仕掛けて失敗したマイクロソフトは今回は買収を提案しない意向だ。
関係者によると、米出版社タイムは依然として買収案提示を検討しており、プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社のベインとTPGも、単独ないし戦略的買い手を支援する形で買収を目指すことを計画している。
これらPE投資会社はまだ実際に戦略的買い手と組んでいないものの、その用意があるという。
事情に詳しい関係者は先週、ヤフーが中核のウェブ事業への初回買収提案の期限を今月11日に設定したと述べていた。ヤフーの7日終値は1.3%安の36.17ドル。
事情に詳しい関係者3人によると、ベライゾンと子会社AOLはヤフー資産買収に向け少なくとも3社を金融アドバイザーに起用。
これだけの数のアドバイザーを起用したことはベライゾンの買収意欲の強さを示すとみられる。
ベライゾンは昨年後半から、ヤフーの全体ないし一部の取得に関心があると表明してきた。
ブルームバーグは先月、ヤフーが日本のヤフーの株式35.5%(約85億ドル、約9200億円相当)と中核事業を抱き合わせで売却する案を選好していると報じた。
しかし抱き合わせ案では相当な額となるため、PE投資会社による買収はより難しくなる見込みだ。
ヤフーとAT&T、コムキャスト、タイム、TPG、ベライゾンはいずれもコメントを控えた。
ベインとグーグルにコメントを求めたが、今のところ返答は得られていない。
ベライゾン・コミュニケーションズ概要
ダウ30銘柄の1社であるベライゾンコミュニケーションズ(代表:ローウェル・マカダム(Lowell C. McAdam)以下、ベライゾン)は、世界最大級のグローバルネットワーク・セキュリティ・クラウドプロバイダー。
売上約12兆円(2013年度売上1206億米ドル)、約18万人の従業員。
ベライゾンは、米国1億1千万人以上の加入者を持つ米最大の携帯事業者であるベライゾン・ワイヤレスを傘下に擁し、固定通信事業では、米国内消費者向けにFiOSを含むインターネット・音声・データ通信と、また世界150ヶ国においてフォーチュン1000社の99%を占める企業顧客と政府機関向けにグローバルネットワーク・セキュリティ・クラウドサービスを提供している。
2013 年Fortune 500 ランキング:16 位
ネットワーク事業では、6大陸(陸上・海底ケーブルを合わせ)地球20周に相当する総延長距離約 80万キロ(50万マイル)の世界最大級のIPネットワークを保有。
米国内、欧州、アジア太平洋地域に24時間×365日体制のネットワークオペレーションセンターを5拠点配置。
セキュリティ事業では、2007年にマネージドセキュリティサービスプロバイダーのCybertrust社を買収。
2008年より、グローバルで発生したデータ漏洩事故のフォレンジック調査を分析した「データ漏洩/侵害調査報告書」 (英語名称:Data Breach Investigations Report 、略称“DBIR”)を毎年発行。グローバルに7つのセキュリティオペレーションセンター(SOC)と、セキュリティ製品の評価・認定を行う「ICSA Labs」をベライゾン傘下の独立機関として展開。
クラウド事業では、2011年、Terremark社(テレマーク)を買収し、また同年8月、CloudSwitch社(クラウドスウィッチ)を買収。グローバルクラウド戦略を加速。
世界22カ国に200以上のデータセンターを保有。
2012年、Hughes Telematics社(ヒューズ・テレマティックス)を買収し、自動車産業のM2Mサービスの拡充を図る。