【NQNニューヨーク=内山佑輔】
6日は中国の経済指標悪化に伴う景気不安、原油価格の大幅下落と、
米株式市場に横たわる懸念が改めて意識された1日だった。
北朝鮮の核実験という新たな地政学リスクも加わり、
視界は一段と不良になりつつある。
ダウ工業株30種平均の終値は前日比252ドル安の1万6906ドルと、
節目の1万7000ドルを割り込み、3カ月ぶりの安値水準を付けた。
石油大手のシェブロンが前日比4%安となったほか、
非鉄大手のアルコアや建機のキャタピラーも下落し、
中国経済の悪化や原油安を不安視した売りが目立った。
さらに下げを加速させたのが、北朝鮮が6日(米東部時間5日)
に核実験の実施を発表したことだ。
同国としては初となる水爆実験といい、市場では
「市場心理を冷やす新たなリスクが加わった」との声が聞かれた。
北朝鮮は過去に3度、核実験を実施している。
この時の株式相場は、売りが優勢になる場面もあったものの、
結果的にいずれも影響は限定的だった。
ダウ平均の騰落は2013年2月12日が47ドル高、
09年5月26日は196ドル高、06年10月10日は9ドル高といずれもプラスで終えている。
今回は複数の売り材料が重なった中、北朝鮮の不穏な動きが一段と
「投資家心理を不安にさせた」(CMCマーケッツのコリン・チェシンスキ氏)結果となった。
今回のダウ平均の急落は、国外で発生した突発的な悪材料を吸収できない地合いの弱さを浮き彫りにした。
米時価総額首位のアップルは、主力スマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」の最新モデルを減産すると伝わり、業績への影響が懸念されている。
アップル株は続落し、6日は2%安となった。
昨年、15年ぶりに過去最高を更新した米新車販売台数も、今後は米利上げに伴う自動車ローン金利上昇の影響がじわりと出てくる可能性がある。
昨年の初めは原油安が重荷になりつつも、企業業績への期待が相場を下支えした。
しかし、間もなく発表が本格化する15年10~12月期決算について、市場では原油相場の急落などを背景に「エネルギー関連企業などの業績悪化により、全体でも減益となる可能性が高まっている」(大和キャピタル・マーケッツ・アメリカのシュナイダー恵子氏)との指摘が出ている。
「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数は不安心理の高まりを映す、節目の20を再び上回ってきた。
「内憂外患」の様相が強まる中、本格的な戻りは当面見込みにくい状況が続きそうだ。