アサヒグループホールディングスは米飲料大手、
トーキングレイン(ワシントン州)を買収する方針を固めた。
買収額は500億円規模の見通し。
健康志向が強まる米国などで、ノンカロリーの炭酸水需要を取り込む。
日本の飲料市場は成長鈍化が鮮明になっており、
アサヒは他の国内大手に比べて手薄だった海外で収益源の確保を急ぐ。
アサヒはトーキングレインの全株式を取得する方向で交渉している。
買収額などを詰めており、近く合意する見込み。
アサヒにとって米国企業の買収は初めてとなる。
トーキングレインは1987年に米シアトルで創業。炭酸水の
「スパークリングアイス」を主力ブランドとする。
英調査会社、ユーロモニターによると、
2014年の生産量は3億8千万リットルで、
3年前に比べ10倍に増えた。
売上高は年500億円前後とみられる。
米国の清涼飲料市場の過半は炭酸飲料大手の
コカ・コーラやペプシコの製品が占めるが、
近年は無糖の炭酸水がシェアを伸ばす。
アサヒは今後も健康志向が強まるとみて
「スパークリングアイス」の販売拡大をめざす。
グループの相乗効果も見込む。
アサヒ傘下の飲料会社、アサヒ飲料のノウハウを使い、
現地の需要に合う商品を開発。
現地の研究開発(R&D)や営業体制も強化する。
アサヒは11年にマレーシアの飲料大手を傘下に収め、
13年にもインドネシアの飲料水大手を買収したが、
売上高全体に占める海外事業の比率は1割あまりにとどまっている。
競合するキリンホールディングスとサントリーホールディングスは
3割台となっており、アサヒも豊富な資金を生かして海外展開を急ぐ。
ビールなどの飲料は国内市場の成長が頭打ちになったほか、
世界的な再編も進む。15年11月にはビール世界最大手の
アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)が
2位の英SABミラーを約13兆円で買収することを決めた。
世界シェア3割の巨人の誕生で、
日本勢も事業規模の拡大などの競争力強化を迫られる。