(ブルームバーグ):
12月1週(11月30日ー12月4日)の日本株は、日経平均株価が3カ月ぶりの2万円回復を試す。
欧州中央銀行(ECB)の追加金融緩和観測が広がっており、景気や流動性の下支えを見込む買いが先行しそうだ。
米国の重要経済統計の発表も相次ぎ、堅調な内容が見込まれる中、ドル・円相場も安定推移する公算が大きい。
11月4週は、日経平均が週間で0.02%高の1万9883円94銭と小幅ながら6週続伸した一方、東証1部全体の値動きを示すTOPIXは0.5%安と6週ぶりに反落した。
シリア国境付近でのトルコによるロシア軍機撃墜で露土関係が緊張、ロシアによる報復は避けられそうな見通しだが、パリの同時テロ以来、地政学リスクは投資家の間で意識されている。
感謝祭明けからスタートした米国の年末商戦動向を見極めたいとの姿勢も重しになった。
ECBは12月3日に定例理事会を開催、市場では追加緩和策への期待が強まっている。ドラギ総裁は20日の講演で、インフレ率を速やかに2%弱へ戻すため、必要な措置を取ることに意欲を示した。
米国では1日に11月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、4日に雇用統計と重要統計の公表が目白押し。
市場予想では、雇用統計の非農業部門雇用者数は20万人増の見通しだ。
前月は27.1万人増。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「表面的な米経済の内需は良く、利上げしようと思えばいつでもできる」とみている。
4日には石油輸出国機構(OPEC)総会も開かれ、低迷する国際原油市況への影響が注視される。
ただし、日経平均が2万円に乗せた後は上値の重い展開となりそうだ。
秋野氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)が「断続的な利上げはできないと市場はみているが、それを確かめるまでは手を出しにくい」と指摘する。
東証1部の騰落レシオなど一部テクニカル指標に過熱感が残る上、裁定買い残は半年ぶりの高水準と先物主導で解消売りが出やすい状況にもある。
≪市場関係者の見方≫
●ファイブスター投信投資顧問の大木昌光運用部長
ECBのドラギ総裁は市場の期待をいい意味で裏切る方向に動く人。
期待感があり、株価は下がりにくい。
米国の利上げも、利上げができるほど景気が堅調という点でポジティブに捉えられている。
あまり波乱要因はない。
ただ、8月中旬の下落時とファンダメンタルズで何か改善があったかというと特になく、現在の株価の上昇には懐疑的だ。
来年はかなり世界経済にとって厳しい年になる。
●三井住友アセットマネジメント・マーケット情報部の市川雅浩シニアストラテジスト
米国の雇用統計やISM製造業景況指数などの統計は無難にこなすだろう。F
RBのイエレン議長の発言も今まで通り、12月利上げの可能性はあるが、ゆっくりとしたペースになるというものになろう。
日本銀行が発表した実質輸出は2カ月連続の上昇、外需の停滞から脱却感が出てきている。
株式の地合いも悪くなく、日経平均は2万円に乗ってくるのではないか。
利益確定売りも出てくるため、いったん2万円を付けた後は押し戻される。
●野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジスト 米利上げの2回目の見方が定まらず、日本株はなかなか上値を抜け切れない。この1年ほど、米国では製造業と非製造業の業況感が乖離(かいり)している。
そこが収束に向かうかどうかが2回目以降の利上げを考える上で大切。
ISM製造業指数に注目している。
ECBの追加緩和は中身が問題。
市場では資産買い入れ、バランスシートの拡大ペースを増加させることへの期待が高まっている。
そうならなかった場合、ユーロが買い戻される可能性もある。
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院去信太郎
更新日時: 2015/11/27 17:09 JST