(ブルームバーグ):
11月3週(16-20日)の日本株は、5週続伸が予想される。
国内で上期決算の発表が一巡し、投資家の関心は景気や企業業績の先行きに移ってきた。
世界経済に対する悲観の反動や今後の業績上振れ観測などから、売られ過ぎた株価を見直す流れが続く。
低迷が予想される7-9月期国内総生産(GDP)は、財政政策の発動期待からむしろ好材料と受け止められる可能性がある。
第2週の日経平均株価は、週間で1.7%高の1万9596円91銭と4週連続で上昇。
雇用統計の内容が良く、米国利上げ観測の強まりから為替市場で1ドル=123円台までドル高・円安が進んだ。
中国懸念がくすぶる中でも、国内企業業績の堅調さが確認されたことも安心感につながった。
投資家の長期的な採算コストである200日移動線を明確に上抜け、年末に向け上昇トレンドが継続するとの期待が広がっている。
米国では16日にニューヨーク連銀の製造業景況指数、
17日に鉱工業生産、
19日にフィラデルフィア連銀景況指数の発表があり、いずれも改善が見込まれている。
国内では16日発表のGDPについて、市場予想は前期比年率0.2%減と2期連続のマイナスとなる見通し。
景況感が足元で回復過程にあり、悪影響は限定的となる可能性が高く、悪化しても補正予算など政策期待の浮上が下支え要因となりやすい。
18日の日本銀行の金融政策決定会合は、政策変更なしとみる向きが大半で、事前に期待が過熱し過ぎなければ、大きな反応はなさそうだ。
夏以降に高まった世界経済に対する過度の懸念は、米国の雇用統計や日本の景気ウオッチャー調査など10月指標が内外で堅調だったほか、中国での相次ぐ政策発動を受け和らぎつつある。
為替市場では円安圧力が高まりやすく、現状の為替水準で推移すれば、1ドル=117円台想定の輸出関連企業の下期業績は増額が見込まれる。
短期急上昇による短期的な過熱感がくすぶるため、200日線(1万9311円)を一時的に試す場面はあり得るが、調整一巡後は業績や政策期待の買いが優勢となりそうだ。
≪市場関係者の見方≫
●日興アセットマネジメントの神山直樹チーフ・ストラテジスト
米国、日本、中国の経済指標はまだら模様だが、米国は比較的良いものが増えてきた。
雇用の上振れから景気に対し自信がついてくるプロセスに入ってくる。
米国が先行することで、日本や欧州の景気も良くなってくるだろう。
サイクル的に需要国の経済が強くなれば、中国など生産国も強くなる。
今の日本株の市場センチメントの回復は十分ではなく、遅かれ早かれ足場を固めながら7-8月の水準に戻るだろう。
センチメントが回復過程にあるだけに、GDPは予想通りの内容であってもポジティブに受け止められそうだ。
●ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長
日経平均1万9500-2万円のレンジでもみ合いになりそうだ。
1万9000円台後半は滞留期間が短く、グローバルでのリスクオンの流れから株式需給は良好で、上値を試す場面もある。
ただ、ドル・円相場は1ドル=123円近辺で円安の勢いが止まっており、もう一段の円安になるのは実際に米国で利上げが行われるときになるかもしれない。
GDPはマイナスの覚悟が市場にあり、日銀会合も前回会合で追加緩和が議論されなかったとあって期待は乏しいため、変動材料にはなりにくい。
●SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリスト
若干強いと予想している。
企業業績は思ったより良かった。
決算を終え、機関投資家は年末に向けポートフォリオを入れ替えてくる。
チャイナリスクを日本株でヘッジした海外勢は、過度な懸念が後退したことで日本株を買い戻ししている上、個人投資家も日本郵政上場で利益を得たことで買い意欲は強い。
日経平均はいったん妥当な水準まで戻してきているものの、チャート上では8月20日と21日の間につけた窓(空白)をいったん埋める動きで、2万円に一度チャレンジしなければ、この上げ相場は終わらないだろう。
記事についての記者への問い合わせ先:
東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net
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院去信太郎
更新日時: 2015/11/13 15:48 JST