(ブルームバーグ):
11月1週(2-6日)の日本株は小幅に3週続伸する見通し。
新規株式公開(IPO)する日本郵政グループ3社に対し個人投資家の人気が高く、大型上場による需給へのマイナスの影響は限定的との見方が優勢。
発表が続く主要企業の決算については、事前に警戒されたほど悲観ムードは広がっていない。
一方、米国の雇用統計を見極めようと、後半にかけては伸び悩みそうだ。
10月4週の日経平均株価は週間で1.4%高の1万9083円10銭と、2カ月半ぶりに続伸した。
前半は中国の利下げ、東京エレクトロンなど値がさで指数寄与度の大きい銘柄の業績上方修正を好感。週末は日本銀行が追加金融緩和策を見送ったものの、消費者物価の低迷が続く中で今後の緩和策発動、補正予算に対する期待が押し上げた。
東証1部市場に4日、日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険のグループ3社が新規上場する。
大型IPOは株式需給を悪化させるとの懸念がある半面、個人投資家の間で購入意欲が強く、投資家層の拡大は長期的に相場にプラスとの見方も出ている。
国内企業の決算発表予定は2日に日産自動車、5日にトヨタ自動車や伊藤忠商事など。
これまでのところ、中国経済の鈍化が与える影響は限られているとの捉え方が多い。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が東証1部3月期企業(金融除く)で29日までに決算発表した268社を調べたところ、4-9月期累計経常利益は前年比17%増。7-9月期は2.1%増と減速が鮮明だが、増益は維持している。
このほかの投資材料は、2日に中国で製造業購買担当者指数(PMI)、米国で10月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数が公表され、さらに米国では5日にISM非製造業景況指数、6日に雇用統計も控える。
米雇用統計での非農業部門雇用者数は市場予想で18万人増と、9月の14万2000人増から伸びが拡大する見込み。
年内利上げの観測が再燃すれば、株式市場の波乱要因になり得る。
テクニカル指標面では、日経平均が投資家の長期売買コストを示す200日移動平均(1万9210円)に接近、上値が抑えられやすい状況だ。
<市場関係者の見方>
●三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジスト
地合いは比較的強い。
10月の戻り相場のようなスピード感はないが、アップダウンを繰り返しながらじりじり上がっていく。
米国のファンダメンタルズに対する自信が連邦公開市場委員会(FOMC)の声明を通じ伝わっている。
大型の新規上場は通常、需給悪化要因でマーケットの上値を抑えるとの見方があるが、相場の地合いが強ければ必ずしもマイナス材料にはならない。
投資家層が広がるという意味でサポート要因という部分もある。
ただ、テクニカル面では日経平均がちょうど200日移動平均線にぶつかり、スピード調整もあるだろう。
●しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長
米国の指標を見ながらの動きになる。
国内企業業績は悪くなく、下値は限られる。中国のスマートフォン関係の業績を見極めたい動きはあったが、実際悪くなく、かえって底打ちしつつあるイメージ。
日本郵政上場前に換金売りが出ているとすれば、もう終わっている。
実際、それにより市場全体に悪影響が及ぶわけではなく、ある程度の含み益があれば、市場全体としては成功に終わるだろう。
●大和証券投資戦略部の高橋卓也シニアストラテジスト
日々の決算が相場を左右していくが、少し前まで言われていた中国経済の影響で日本企業もだめだという見方は払拭(ふっしょく)されつつある。
トヨタ自動車決算、中国PMI、米国雇用統計が出てくる、外部のマクロ環境を確認していくが、悲観する展開ではないだろう。
今の会社側予想PERから勘案すると、年末までに日経平均が2万円まで上がることは不思議ではない。11月中に1億総活躍政策の具体案、環太平洋連携協定(TPP)を含めた補正予算が出てくる期待も強く、こうしたものは当面の日本株を支えていくだろう。
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東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net
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院去信太郎
更新日時: 2015/10/30 17:14 JST