パナソニックは世界で年間20兆円を超える資金のやりとりをマレーシアで集中管理する。
現地に24時間体制で担当者を配置し、日本を含むグループ内の資金の過不足や通貨ごとの持ち高を監視する。
アジア事業の拡大に伴い統括機能を従来のオランダからマレーシアに移し利便性を高める。
今秋以降に本格的に運用しフリーキャッシュフロー(純現金収支)が安定して2000億円程度の黒字になる体制を目指す。
マレーシアの金融子会社は専門人材を増やし、2交代制で資金の移動や為替予約を監視する。
金融市場で大きな変動などがあれば機動的に対応し、資金や為替の持ち高などを調整する。代金の受け取りや支払業務も一括して担う。
パナソニックは外部との資金のやり取りが年間で20兆円以上あり、為替予約も約30の通貨で実施している。
2006年に「SWIFT」と呼ぶ決済情報の通信網を活用したシステムを構築し、グループの約600社を結んで資金移動や為替予約を管理している。
これまではオランダの金融子会社が集約してきたが、完全には業務を集約できていなかった。
余剰資金は欧米、アジアなど各地域にある金融子会社がいったん取りまとめた後に、オランダの子会社が最終的に集約していた。
為替予約も日本が実質的な司令塔となって、各地域の予約を取りまとめていた。
今期から各地域の金融子会社の実務をマレーシアの金融子会社に全面的に移管する。
マレーシアの子会社が各地域の事業統括会社と直接やり取りすることで、資金管理の精度を高める。
先行する形で今春、米国と英国の金融子会社をそれぞれの地域の事業統括会社が吸収合併した。
手元資金が余っている会社から資金を預かって、不足している会社に資金を貸し付けるなどグループ内で資金をやり取りすれば、全体として外部からの借り入れが減って財務を改善できる。
金利支払いの軽減にもつながる。
パナソニックは2016年3月期のフリーキャッシュフローが2000億円超の黒字になると見ている。
マレーシア子会社の担当者には法令順守やマニュアルを徹底して教育しガバナンスを強化する。
今後、オランダの金融子会社はマレーシア子会社のバックアップ拠点として活用する方針だ。