【トップは語る】西日本鉄道社長 農業版地方創生モデルで沿線支援 | 人生の水先案内人

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□西日本鉄道社長・倉富純男さん(61)

 --農業振興を図る取り組みを始めた

 「全国農業協同組合連合会(JA全農)と共同で農業振興の新会社『NJアグリサポート』(福岡県大木町)を3月に設立した。

新会社は福岡県の農業生産基盤の維持・拡大と就農者の所得向上、農業経営の安定化を西鉄沿線で支援する。

『農業振興なくして、地方創生なし』との考えで、農業版地方創生モデルの確立を目指す」

 --なぜ鉄道会社が農業振興なのか

 
「起点は西鉄沿線の活性化にある。

中核の鉄道・バス事業は輸送人員が横ばいで経営は難しくなっている。

これを打開するには、農村部が多い沿線地域の活性化しかない。

福岡県は就農者の高齢化が著しく、就農人口は過去15年で4割も減った。

このままでは一気に過疎化が進むという危機感があった。

JA全農から話を持ち込まれ農業振興への協力を2、3年をかけて検討してきた」

 
--具体的な事業展開は

 「就農人口を増やすため、新会社はモデル農場を設置し、新規就農者の育成を目指す。

さらに、高収益モデルの確立や大規模雇用型モデルにも取り組む。

福岡県の農産品はイチゴの『あまおう』が付加価値のあるブランドに定着している。

新会社の事業を通じて品質を重視した付加価値の高い商品を生み、とにかく(一定の収入を得て)就農者が『食べられる農業』に育てたい」



 --西鉄の役割は

 「農家は作った作物をどう売っていくかに苦労している。

その点、西鉄はグループで国内外に物流網を持ち、ストア事業も展開するなど多様化する販路に対応できる。

あまおうで作ったスパークリングワインなど6次産業化の経験もあり、グループの総合力で農業振興に貢献できる。

国際物流では国内5位の実績を生かし、アジアへの販路を確立することも視野に入れている」

                  ◇

【プロフィル】倉富純男

 くらとみ・すみお 青山学院大法卒。

1978年西日本鉄道入社。取締役執行役員都市開発事業本部長、

取締役常務執行役員経営企画本部長を経て、2013年6月から現職。

福岡県出身。