(ブルームバーグ):2月4週(23-27日)の日本株は反落する見通し。
ギリシャ情勢の不透明感に加え、米国の利上げ前倒しの機運も高まり切らず、1ドル=120円手前で円安の勢いが鈍っている。
輸出関連株の上値は抑えられやすく、日経平均株価 がおよそ15年ぶりの高値を付ける原動力となった銀行株にも過熱感が強い。
富国生命保険の山田一郎株式部長は、「ファンダメンタルの部分で為替が円安に行きづらくなっている。
ギリシャ、ウクライナ情勢もまたリスク要因として蒸し返される可能性が高いだけに、調整があってもおかしくはない」とみている。
第3週の日経平均は週間で2.3%高の1万8332円30銭と続伸。ギリシャ情勢に一喜一憂する場面はあったが、国内景気の改善に対する期待感が週を通じて相場を支え、19日にはITバブル期の2000年5月以来の高値を付けた。
銀行や証券など金融株が急伸し、陸運や海運など荷動きに関連あるセクターも上昇。
日経平均採用銘柄の週間上昇率 上位にも、ふくおかフィナンシャルグループや千葉銀行、横浜銀行など地銀株が多く入った。
16日に発表された昨年10-12月期の日本の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率2.2%増と市場予想からは下振れたが、3四半期ぶりにプラス転換。
19日公表の1月の貿易統計は、輸出が増加する半面、原油価格の下落を受け輸入が減り、4カ月連続で貿易赤字幅は縮小した。
国内景況感の改善期待は銀行株への投資人気につながり、東証1部33業種の銀行株指数 はアベノミクス相場が始まって以来の高値だった13年5月の水準を上抜け、08年10月以来の高値に達した。
銀行一段高への課題
ただ、急激に上昇したため、テクニカル指標で銀行株指数を見ると相対力指数(RSI)は80%と過熱を示す70%超え、25日移動平均線からの上方乖離(かいり)率は12%と目先過熱を指す5%を大きく上回る。
アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャーは、銀行株について「まだリバーサルの域を脱していない。
内需が反転して資金の流れが出てきて、本業でもうかっていると確認できないといけない」と、足元の上昇に限界感があるとの見方だ。
また、国内では労使が労働条件を交渉する春闘が始まり、政府の働き掛けや物価上昇などを背景にした賃金上昇期待の高まりも直近の日本株高を演出した要因の1つ。しかし、いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「昨年と同じペースで大企業は改善するだろうが、中小企業は不透明で難しい。

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全体で消費を押し上げる力は今のところないだろう」と言う。
米利上げの前倒しトーン弱まる
ドル・円相場は今月11日に約1カ月ぶりに1ドル=120円台に乗せたが、その後は118-119円台で一進一退が続いている。
富国生命の山田氏は、「米国の利上げ前倒しのトーンが落ちてきている。
指標以外にも企業収益が芳しくないという意識が出ており、ドルを買いづらい」としている。
米連邦準備制度理事会(FRB)が18日に公表した1月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、当局者らは米経済が抱えるリスクを踏まえ、政策金利を過去最低付近でより長期間維持することが支持されると判断した。
24日には、FRBのイエレン議長が半年に1度の議会証言に臨む。
早期利上げ機運の後退は、株式市場で流動性相場の長期化観測につながる半面、米景気の改善力の弱さと捉えられる可能性があり、為替のドル安・円高材料にもなり得る。
さらに、ギリシャに対する資金支援をめぐるユーロ圏諸国との交渉については、最終的な合意に楽観的な見方が多いものの、ギリシャのツィプラス政権がなお強気の姿勢を崩していないだけに、救済プログラムの失効期限を迎える2月末まで予断は許さない。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、国内年金資金の買い期待の強さ、海外投資家の買いが入り始めた状況から、底堅い日本株の動きを予想しているものの、「リスク要因がないわけでない。
ギリシャの問題に加え、欧州、米国とも中央銀行から発言が出てくる可能性があり、内容次第でいったん売る理由になる」と話した。
第4週の日本株の売買材料は、
国内で27日に1月の失業率や家計調査、消費者物価指数(CPI)、鉱工業生産が発表予定。
海外では、
米国で23日に1月の中古住宅販売件数、
25日に新築住宅販売件数、26日に耐久財受注、
27日には昨年10-12月期のGDP改定値がある。
記事についての記者への問い合わせ先:
東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:
Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net
院去信太郎
更新日時: 2015/02/20 18:36 JST