(ブルームバーグ):
1月第3週(19-23日)の日本株相場は、4週ぶりに反発する見通し。
欧州中央銀行(ECB)など国内外の金融政策、企業業績に対する期待感が広がり、安値圏にある株価を見直す動きが出てきそうだ。
JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「欧州と日本の追加緩和期待が実体経済を押し上げるのではないかとの期待から、買い戻しが入る相場展開になってもおかしくない」と言う。
第2週の日経平均株価 は週間で1.9%安の1万6864円16銭と3週続落。
原油や銅など国際商品市況の下落による金融市場や米国企業業績への影響が不安視され、リスク回避やスイス中央銀行によるフラン上限撤廃などに伴う為替の円高もマイナス材料となった。
欧州では22日にECBの定例理事会が開かれ、量的緩和(QE)パッケージを検討する。
ドラギ総裁は14日付の独紙ツァイトに掲載されたインタビューで、ECBに国債購入の用意があるほか、22日の会合後に新たな措置を発表する公算であることを示唆した。
ユーロ防衛のため、同総裁が2012年に打ち出した債券購入計画について、欧州司法裁判所は14日に合法との見解を示した。
JPモルガンの重見氏は、「ECBが国債買い入れに進むかどうかで市場の反応が違ってくる可能性がある」と指摘。
一方で、1月に実施しなくても、「3月に行うことを確実に匂わせて期待をつなぐのは間違いない」とし、期待感が先行すれば、通常は材料出尽くしになるケースが多いものの、今回は「グローバル株式市場が下げているため、ポジティブに反応する可能性がある」と予想した。
期待値低下で再評価余地
米国では、昨年10-12月(第4四半期)決算の発表が本格化してくる。
20日はIBMや半導体メーカーのアドバンスト・ マイクロ・デバイシズ(AMD)、資源・エンジニアリングサービスのハリバートン、
21日はネットオークションのイーベイ、
22日は通信のベライゾン・コミュニケーションズ、スターバックスなどが予定。
ブルームバーグが集計したアナリスト6000人余りの12日時点の予想では、S&P500種株価指数構成企業の10-12月の増益率は2%となったもよう、ことし1-3月は2.8%が見込まれる。
昨年10月時点の予想はそれぞれ8.1%、9.2%だった。
15日の米国株市場ではバンク・オブ・アメリカやベスト・バイが失望決算で売られ、期待を下回る低調な米企業業績は金利低下や為替が円高に振れる一因になった。
「10-12月の業績はドル高、原油安で抑え込まれた部分がある」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジスト。ただ、「市場の期待値は相当落ちた状態にあり、資源関連企業の業績悪化も分かってくる。期待が少ない分、再評価が出やすい」との見方も示す。
日銀会合、コアCPI下方修正へ
国内では日本銀行が20、21日に金融政策決定会合を開き、企業決算の発表シーズンも迫ってきた。
日銀は、昨年10月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間評価も行う。
関係者によると、日銀は原油安を背景に15年度の生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)について、前年比見通しを従来のプラス1.7%から下方修正する方針だ。
「日銀が来年度の2%目標を変えないとすると、緩和を前提にしないとそうならないとの見方が醸成されれば、緩和期待が高まる」とJPモルガンの重見氏はみる。
国内主要企業の10-12月決算発表も翌週から本格化し、その先駆けで22日に日本電産が発表予定。事前の業績修正も徐々に増えてきそうだ。
カブドットコム証券の河合達憲マーケットストラテジストは、「10-12月の実際の為替レートが1ドル=114円の中で、企業側の前提は104円。10円の為替差益がどう数字で出てくるのか期待がある」と言う。
波乱収束にはなお時間、ギリシャ問題も
もっとも、原油価格の急落が象徴する金融市場のボラティリティ(変動性)の大きさが収束するには、なお時間がかかりそうだ。
ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄ファンドマネージャーは、「原油価格の下落でグローバルなマネーの流れが変調を来す可能性がある」と警戒。「産油国の経常黒字が減少すれば、経常赤字国のファイナンスを誰が担うのか。マネーがシュリンクすると、何が起こるか分からず、リスクシナリオを想定せざるを得なくなってきた」と指摘する。
25日にはギリシャの総選挙も控える。世論調査では、緊縮反対の野党・急進左派連合がリード。
欧州連合(EU)とECB、国際通貨基金(IMF)による現行の救済プログラムは2月末で終了するが、ギリシャが緊縮を嫌って救済プログラムから離れる場合、ECBは同国銀行への300億ユーロ(約4兆2000億円)相当の資金供給を断つ構えだ。
ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長によると、足元の金融市場でリスク回避姿勢が強まった要因は原油価格、欧州情勢の2つだと言う。
「ギリシャ総選挙まではリスク要因が抜け切らない。
それまで様子見気分は続く」としており、ボラティリティの高さはリスクの大きさを示すだけに、積極的な買いが手控えられる可能性もある。
このほか、第3週は海外で
20日に中国10-12月期の国内総生産(GDP)やドイツ1月のZEW景況感指数、
21日には米国12月の住宅着工件数の公表なども予定される。
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東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net
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院去信太郎
更新日時: 2015/01/16 16:01 JST