(ブルームバーグ):
1月2週(13-16日)の日本株は、日経平均株価 が1万7000円台前半で値固めの展開となりそうだ。
欧州の追加金融緩和観測の広がりから、年末年始にやや強まった世界的なリスク回避姿勢が和らいでいる。
テクノロジー、金融セクターを中心に発表が本格化する米国企業決算への期待感も相場の下支え要因になる見通し。
みずほ信託銀行の浅岡均シニアストラテジストは、「22日までは欧州の緩和期待が続き、相場は上がりやすい」と言う。
米決算については、「エネルギー系企業の業績下方修正が続き、今は悲観的な方向に振れている」としながらも、直近の株安でこうしたショックを吸収、ほかのセクターの業績が予想を上回ってくれば、株高につながるとみる。
第1週の日経平均は、週間で1.5%安の1万7197円73銭と続落。
国際原油市況の急落やギリシャの政局不安などを背景に投資家心理が悪化、2015年相場は大発会と翌日の2営業日で500円以上下げる波乱の幕開けとなった。
ただし、欧州の低調な経済統計を受け、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測が浮上、政策対応への期待感から週後半は持ち直しの兆しを見せた。
昨年12月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は速報値で前年同月比0.2%下落とインフレ率は09年9月以降で最低となり、ドイツの11月製造業受注指数は前月比2.4%低下と3カ月ぶりに減少した。
こうした中、ECBのドラギ総裁が欧州議会のフラナガン議員に宛てた書簡で、ECBが今後実施する景気刺激策措置にはソブリン債購入が含まれる可能性もある、とコメントしたことも明らかになっている。
ECB理事会は22日に開かれる。
アルコアやインテル、ゴールドマンストックス欧州600指数が5日に2%超下落、米ダウ工業株30種平均は300ドル超急落したが、足元では持ち直し、株式投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX )も低下基調だ。
市場参加者が冷静さを取り戻しつつある中、日本に先駆けて米国では企業決算の開示が本格化するため、堅調なマクロ景気に支えられた明るい収益見通しが明らかになれば、日米株式市場の支援材料となりそうだ。
主要企業の決算発表予定は、
12日にアルミ生産最大手のアルコア、
14日にJPモルガン・チェース、
15日にバンク・オブ・アメリカ(BOA)や
シティグループなど金融セクター、
半導体世界最大手のインテルがあり、
16日はゴールドマン・サックス・グループが控える。
ブルームバーグ・データによると、米S&P500種株価指数採用銘柄の向こう12カ月の1株利益は11%増 が想定されている。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、投資家のリスク選好姿勢が今後本格的に回復する条件として米景況感や昨年10-12月期の米企業決算の堅調、欧州の追加緩和決定、ギリシャの総選挙通過を確認することが必要と指摘。「それらがうまくいかないと、低迷が続く」としている。
株式需給面でも、日本株は出直りやすい状況にあるようだ。東京証券取引所によると、空売り比率は6日に37.8%と08年のデータ公表開始以来で最高を記録した。
リオリエントのセールストレーディングヘッドのデビッド・ウェルチ氏(香港在勤)は、安倍政権の成長戦略の具現化に対する期待値の低下を理由に挙げている。
一方で、「高水準の空売りの状況では短期的には買い戻しで相場が安定的になる」と話す。
このほか、年明けからは少額投資非課税制度(NISA)の口座を通じ、新たに非課税枠を得た個人からの資金流入期待もある。
1バレル=50ドル割れ
これに対し、09年4月以降で初めて1バレル=50ドルを割り込んだニューヨーク原油市況は、エネルギー輸入国にとってはコスト低下を通じて今後の景気押し上げ要因になる半面、目先はリスクマネーの動向を不安定にさせる可能性があり、引き続き警戒が必要だ。
パインブリッジ・インベストメンツの前野達志マネージングディレクターは、「原油価格の下落は本来景気にとってプラスだということが分かっていても、金融市場の観点からは怖さがあり、リスクを抑えてきた」と言う。
ただ、「米経済も強く、日本経済もこれから良くなっていくという中期的なファンダメンタルズの部分も見えてきている」とし、日本株に対する強気スタンスを崩してい
ない。
第2週に公表される経済統計は、
米国で14日に昨年12月の小売売上高と地区連銀経済報告(ベージュブック)、
16日に鉱工業生産など。
ブルームバーグ調査の予想中央値で、米小売売上高は前月比0.1%増(前回0.7%増)の見込みだ。
国内では、13日に12月の景気ウオッチャー調査、
15日には11月の機械受注があり、機械受注は予想中央値で前月比4.6%増(前の月は6.4%減)となっている。
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院去信太郎
更新日時: 2015/01/09 19:03 JST