11月21日(ブルームバーグ):
11月第4週(25-28日)の日本株相場は続落しそうだ。
衆院解散に否定的な国民感情の中で行われる総選挙の行方に不透明感が強い。
株価の短期過熱感も残り、急激な為替の円安進行の反動も懸念される。
みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、現在の日本株は「割安でも割高でもない水準にある」とし、「選挙の論戦がどこになるのか、今後出てくるマニフェストで景気が良くなるかどうかを見るまで、現時点で決め打ちする必要はない」と話している。
第3週の日経平均株価 は前の週末に比べ0.8%安の1万7357円51銭と、5週ぶりに反落した。
日本の7-9月国内総生産(GDP)が予想外の2四半期連続マイナスとなり、国内景気に対する警戒感が高まったほか、移動平均線からの乖離(かいり)などチャート分析、テクニカル指標からみた過熱感も重しとなった。
安倍晋三首相は21日、衆院を解散した。
総選挙は12月2日公示、14日投開票。
首相は18日夜の会見で、4月に8%に引き上げた消費税を再増税すると個人消費を押し下げ、デフレ脱却が危うくなるとし、税制で大きな変更を行う以上は国民に信を問うべきとの考えを示した。
選挙戦では、首相が進めてきた経済政策「アベノミクス」を継続するかどうかなどが争点となる。
2年間の成果、日経平均71%高
「『アベノミクス』のこの2年間の成果は、株価の上昇など数字が物語っている。
マーケットでは、与党が過半数を獲得するだろうとの見方が多い」とSMBC日興証券株式調査部の西広市部長。
このため、市場では選挙後の成長戦略や規制緩和の断行、法人税減税や給与上昇の方向性に対する期待感があると言う。
日経平均は、第2次安倍内閣が発足した2012年12月26日(1万230円)から今月14日に付けた終値で7年4カ月ぶりの高値(1万7490円)まで71%上げた。
西氏によると、衆院解散から投開票日までの直近3回の日経平均は8.3%上昇している。
消費税率10%への引き上げ先送りによる景気への好影響、過去の衆院選時の株高アノマリーなど期待先行で直近の日本株は上げてきただけに、選挙情勢を見極めようといったん売りが出やすい局面だ。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、与党が「大勝すれば、『アベノミクス』第2弾への期待が高まり、株価も上昇するが、議席数を大きく減らすなら難しい」と言う。
21日付の朝日新聞朝刊は19、20日に実施した全国緊急世論調査の結果を報道。この時期の解散・総選挙に「反対」は62%と、「賛成」の18%を大きく上回った。
安倍内閣の支持率は39%、不支持率40%と第2次安倍内閣の発足来、初めて支持と不支持が逆転したとしている。
高いスタート台
「『解散に売りなし』だが、過去5回の衆院解散時は株価指数が25日移動平均線前後の過熱感がない水準から選挙戦がスタートした場合が多い」と、野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは分析する。
ただ、今回は「スタート台が高く、選挙後の政権運営に期待感が持ち切れないニュースフローになれば、解散に売りなしが当てはまらなくなる可能性もある」と指摘した。
21日時点で日経平均は投資家の短期売買コストを示す25日線から6.3%上方乖離、14日には10%に達していた。
経験側から5%を超すと目先過熱、10%で天井圏を示すとされる。
第4週は、米国で
25日に7-9月GDP改定値や11月の消費者信頼感指数、
26日に10月の耐久財受注や新築住宅販売などの重要な経済統計が発表予定だ。
ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は、GDPが前期比年率で3.3%成長(前回3.5%)、耐久財受注は前月比0.6%減(同1.1%)が見込まれる。
「米国景気は着実に上向いている。マーケットコンセンサスより悪い数字は出てこないだろう」と、アムンディ・ジャパンの高野雅永チーフストラテジストはみている。
日本株の中期的な先高期待も根強い。ゴールドマン・サックス証券では日本企業の着実な売上高拡大や円安、法人税減税、資本効率改善を想定、
日本株のバリュエーションは依然割安とし、日経平均の今後3、6、12カ月目標を1万8000円、1万9300円、2万500円に上げた。
このほか、国内では25日に大阪取引所でJPX日経インデックス400先物の取引が開始され、28日は10月の鉱工業生産や家計調査、失業率の公表が予定される。
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院去信太郎
更新日時: 2014/11/21 16:25 JST